Project/Area Number |
23K11682
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
丸山 里美 京都大学, 文学研究科, 准教授 (20584098)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | ファイナンシャル・ダイアリー / 貧困 / ジェンダー / 世帯内資源配分 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、女性の貧困について、家計簿記録と定期的なインタビューを組み合わせ、一 定期間継続的に日々の家計のやりくりを追うファイナンシャル・ダイアリーという調査手法を用いて、その実態を実証的に明らかにすることを目的としている。それによって、従来の貧困研究では十分に把握されていない世帯内での資源配分の不平等や、毎月の所得変動、資産・借金などが貧困者の生活にどのように影響しているかを把握するとともに、男性と女性とを比較することで、貧困とそれへの対処のジェンダー的特徴をとらえる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、女性の貧困の実態をとらえるために、家計簿記録と定期的なインタビューを組み合わせ、一定期間継続的に日々のやりくりを追うファイナンシャル・ダイアリーの手法を用いて、従来の貧困研究では十分に把握されていない世帯内での資源配分の不平等や、毎月の所得変動、資産・借金などが貧困者の生活にどのように影響しているかを把握するとともに、男性と女性とを比較することで、貧困とそれへの対処のジェンダー的特徴をとらえることを目的としていた。同時に本研究は、ファイナンシャル・ダイアリーという、まだ日本では実績の少ない調査手法を確立させることも目的の一つとしていた。 本年度は、①子どもがいる低所得世帯の専業主婦、②障害のある子どもを育てる母親、③在日外国人女性の各1名、④収入は年金のみの高齢女性2名、計5名を対象に、3~6ヶ月のファイナンシャル・ダイアリー調査を実施した。ただし、調査協力者の獲得の困難から、子どものいる世帯については2名しか対象にできず、また1名は調査を途中で断念することになった。 調査からわかったこととして、下記のようなものがある。①やりくりのためのジャグリング戦略、②お金を誰のものと認識しているかが使途に影響を与えていること、③社会保障給付のまとめ支給の影響、④借金の性質が家計に与える影響、⑤高齢者の消費水準の低さ、⑥家計管理者の性別が家計に与える影響、⑦世帯内の資源配分の不平等の実態。 以上から、当初の目的は一定程度達成でき、またファイナンシャル・ダイアリー調査を実施する際の具体的手続きについても、ノウハウを得ることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ファイナンシャル・ダイアリー調査は、さまざまな目的に利用できる調査手法だが、実施が容易とはいえず、また日本ではほとんど前例がないため、計画通りにいかない可能性も考えられた。しかし本年度は、5名の調査協力者を得ることができ、うち4名は計画通りに調査を 完了することができた。ここから、ファイナンシャル・ダイアリー調査の困難な点やノウハウを獲得することができ、今後の実施に向けて経験を蓄積することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、本年度と同様の手法で、対象者を変えて、ふたたびファイナンシャル・ダイアリー調査を実施する。ただし本年度の調査協力者のうち、1名については、より長期の記録を取るために、次年度改めて調査対象とする。 本年度の調査協力者はすべて女性だったため、家計管理のジェンダーによる違いについては検討できなかった。したがって次年度は、男性の調査協力者を得られるようつとめる。その他、本年度の経験をふまえて、よりターゲットをしぼった調査協力者が得られるよう、アクセスの方法を工夫し、またインタビュー調査の項目を、英語圏の世帯内資源配分研究の知見を検討することで、より洗練させる。
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