Project/Area Number |
23K11689
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80030:Gender studies-related
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
溝尻 真也 目白大学, メディア学部, 准教授 (50584215)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2026: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | DIY / 手づくり / 趣味 / 住まい / ジェンダー / 日曜大工 / 家庭工作 |
Outline of Research at the Start |
本研究は日本におけるDIY (Do It Yourself) の展開をジェンダーの観点から明らかにするものである。具体的には戦前の良妻賢母主義に基づく家庭工作から、戦後の性別役割分業に基づく男性趣味としての日曜大工を経て、現在ジェンダーを問わず広く営まれているDIYへと至る歴史的変遷を、文献調査を通して明らかにする。さらに現在のDIY行為者へのインタビュー調査およびアンケート調査を行ない、現在のDIYが内包している意義や可能性を明らかにする。本研究ではこれらの調査を通して、近代以降の日本で住空間の維持・改造・補修は誰がどのように担ってきたか、その変化と社会的背景を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
Harris, Richard,2012,Building a Market:The Rise of the Home Improvement Industry, 1914-1960や、Todd L. Goodsell, 2008,"Diluting the Cesspool:Families, Home Improvement, and Social Change",Journal of Family Issues,29(4)、Durst, Noah J. and Cangelosi, 2021, Elena J.,"Self-help housing and DIY home improvements: evidence from the American Housing Survey",Housing Studies,36(8)など、英語圏のDIYに関する著作や論文を収集し、その歴史的変遷と現状について整理した。 また海外の先行研究を踏まえつつ、日本のDIYの歴史に関する調査を開始した。 まずは戦前に提唱された住まい手自身による住居補修や日用品の手づくり(家庭工作)を日本のDIYの嚆矢として位置づけ、その変遷を調査した。特に家庭工作の提唱者で家具デザイナー・木工教育者の木檜恕一に焦点を当て、彼が設立した木材工芸学会の学会誌を紐解きながら、大正~昭和初期の家庭工作がどのような思想のもとで提唱されたかを明らかにした。 さらに戦後日本におけるDIYの展開として、学校教育、主に家庭科教育における家庭工作の変遷と、女性向け雑誌の中で提唱された家庭工作や日曜大工の有様について調査を行なった。具体的には戦後の日本で新しい女性のライフスタイルを提案し人気を獲得した雑誌『それいゆ』『ジュニアそれいゆ』を主軸に、これらの雑誌内で家庭工作やDIYがどのような営みとして語られ、提唱されていたかを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画として、初年度は海外の先行研究の整理を中心に行ない、初年度後半から2年目にかけては日本のDIYの歴史的変遷の調査に着手する予定を立てていた。いまのところほぼ予定通り海外の先行研究の収集・整理を行ない、また日本の歴史的資料も1920年代から1950年代にかけての資料が集まりつつあることから「おおむね順調に進展している」とした。
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Strategy for Future Research Activity |
1.日本におけるDIYの歴史調査 2年目は引き続き歴史的資料の収集・分析を中心的に行なう。特に1970年代前後に起きた日曜大工ブーム期の資料を集め、その背景について調査分析していく。 2.量的調査に向けた準備 3年目に予定している、DIY行為者の動機や意識を明らかにするための量的調査に向けて、その準備を行なう。近年の量的調査の傾向などを把握するとともに、2021年に実施した予備調査の結果を再度分析し、質問文などを精査する。
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