Project/Area Number |
23K11700
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 亮介 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10749477)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | X線位相イメージング / 深層学習 / 確率拡散モデル |
Outline of Research at the Start |
X 線位相 CT 法は従来の吸収 CT 法よりも軽元素組成の生体軟組織や高分子材料に対しはるかに高いコントラストが得られる。しかし、少数投影方向CT法、低線量CT法などの先進的 CT測定法では、様々なアーチファクトやノイズが現れる課題が残されている。 本研究課題は X線位相CT測定において先進的CT測定法を利用した際に現れるアーチファ クトやノイズの問題を、深層学習手法の1つである拡散確率モデルを利用して解決することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
X線位相イメージング法は、従来のX線吸収コントラスト像では可視化しにくい軽元素組成の生体軟組織や高分子材料を高コントラストで撮像できる手法である。吸収コントラスト像と同じく、多数の方向から計測を行いCT(Computed Tomography)再構成法と組み合わせることで測定物体内部の断層像を得ることも可能である。しかし、局所CT法、少数方向CT法、低線量CT法などの先進的CT測定法では、様々なアーチファクトやノイズが現れ再構成法に課題が残されている。また、縞走査法による位相イメージング法では、高速撮影を行うための時間分解能を高められないなどの課題もある。本研究課題はこれらの先進的位相CT測定法で現れる問題に対して深層学習の1手法である拡散確率モデルを応用した際の有効性を検証することを目標としている。 初年度の課題として深層学習の高速位相CT撮影への応用について検証を行った。従来手法では縞走査法を用いており、1枚の位相像を得るために複数枚の縞画像測定が必要であるため時間分解能の向上が困難であった。これに対し、本研究で開発した深層学習を用いた手法では用途が限定的ではあるが縞走査法の空間分解能を保ったまま1枚の縞画像撮影から吸収像・微分位相像・散乱像を取得でき、これまでよりも10倍の撮影速度が得られる見込みとなった。開発した手法を用いて赤外レーザを用いた高分子材料の接合実験を行い、時間変化を伴う3次元構造の変化、すなわちX線位相4D-CT撮影が可能であることを示した。本研究成果は国際学会にてBest Presentation Awardを受賞するなどの高い評価を得ている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
深層学習を用いたX線位相CT撮影法への応用の初期的な成果が得られており「おおむね順調に進展している」と考える。初年度に開発した手法を基礎的な枠組みとし、拡散確率モデルを組み込むことで今後その有効性を検証可能である。本研究計画において当初予期しえない問題としてX線位相イメージング法を用いた実験データ取得が困難な可能性があったが、初年度にて必要最低限の測定は終えており、今後はアルゴリズム開発・データ処理が主な研究課題となるため大きな計画変更なく研究を推進できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度で位相CT撮影法へ応用する基礎的な枠組みができたため、今後は本研究課題で開発する「拡散確率モデルによるX線位相イメージング法」を用いて、従来手法との比較検証を行っていく。初年度は縞走査法に代わる位相像取得法について応用を検討したが、局所CT法、少数方向CT法、低線量CT法などへの応用が検討予定課題として残されており、これら測定手法への応用を行っていく。
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