Project/Area Number |
23K11702
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
菅 晃一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光量子科学研究所 放射光科学研究センター, 併任 (60553302)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 電子ビーム / テラヘルツ波 / 電気光学サンプリング / シングルショット計測 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、エシェロン(階段形)ミラーもしくは回折格子と、フェムト秒レーザーを用いて、電子ビームのクーロン場計測の広帯域化を行う。まず、①フェムト秒レーザーのスペクトル広がりによるパルス圧縮を行う。次に、パルス圧縮されたレーザーを利用して、②エシェロンミラーおよび電気光学(EO)結晶を用いたテラヘルツ電場の広帯域・シングルショット計測系を構築する。最終的に、③数10フェムト秒オーダーのパルス幅を有する電子ビームに対して、電子ビームのテラヘルツ電場の時空間分解計測する事を目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
フェムト秒電子ビーム周りのテラヘルツ電場計測を行うために、フォトカソードRF電子銃ライナックを用いてフェムト秒電子ビームの発生を行った。プローブ光として用いる一部のフェムト秒レーザーの光の三倍高調波発生による紫外光パルスを用いて光電子・電子ビーム発生を行った。カソード表面における光電場の効果により電子ビームの電荷量の増強を目的に、光パルスをビーム軌道となす角:68°の条件でカソードに入射した。電子ビーム測定では、紫外光パルスに対する反射型の可変neutral densityフィルターを設置し、カソードに照射するレーザーのパルスあたりのエネルギー、つまり発生電荷量を調整した。また、その電子ビーム(35 MeV, <70 pC)計測において、電気光学(EO)サンプリングを実施した。EOサンプリングは、EO結晶に電場が印加されると、ポッケルス効果による複屈折(屈折率の異方性)が誘起され、入射した直線偏光のプローブ光(フェムト秒レーザー)が、透過では楕円偏光に変化する性質を利用して、電場を検出する手法である。計測系の構築では、金属境界条件と測定点(EO結晶ZnTe)の距離を数10 mm台で可変できる光学系構築と位相オフセット法の適用を行い、シングルショット計測が可能となった。この手法の利点は,シングルショットで電子ビーム由来の電場の時空間分布を計測することができるため、同期時間ジッター(ショット毎の電子ビームとプローブ光の到達時刻の変動)による計測の不安定性を回避できることである。シリンドリカルレンズを組み合わせた系において、空間方向の結像の評価も行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
金属境界条件と測定点(電気光学結晶ZnTe)の距離を数10 mm台で可変できる光学系構築と位相オフセット法の適用を行い、シングルショット計測が可能となった。また、距離の違いにより、球面的な電場の時空間分布が平面的な電場の時空間分布に変化する様を定量的に評価できるようになった。また、particle-in-cell計算により得た電場分布の比較をできる状況にある。シングルショット計測で用いる回折格子もしくはエシェロンミラーの反射に基づくレーザーの時空間分布を干渉により評価できるようになり、時間軸の校正・確認もできる状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
フェムト秒レーザーをエシェロンミラーもしくは回折格子へ輸送し、位置によって異なる時間遅延のレーザー光へ変換する。次に、そのレーザー光をシリンドリカルレンズによりシート状の光で電気光学結晶へ入射し、電子ビームのテラヘルツ電場由来のポッケルス効果で誘起される偏光変化の時空間分布を観測する。その後、適宜、複数枚のレンズを用いて、CCDカメラへの縮小結像により電場の時空間分布の二次元検出を行い、シングルショット計測系を構築する。また、広帯域化の準備を行い、低電荷量(信号量減少条件)における検出系の改善の検討を行う。
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