Project/Area Number |
23K11705
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80040:Quantum beam science-related
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
篭島 靖 兵庫県立大学, 理学研究科, 教授 (10224370)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
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Keywords | X線顕微鏡 / 焦点深度 / 空間分解能 / ゾーンプレート / 回折積分 / 回折限界 / コンピュータトモグラフィ |
Outline of Research at the Start |
微細実材料のオペランド非破壊観察には、X線顕微鏡コンピュータトモグラフィ(CT)による3次元構造の可視化が必須である。X線顕微鏡CTでは試料のサイズをレンズの焦点深度内に収める必要があるため深い焦点深度のX線光学素子は重要な開発要素であり、数年来空間分解能の劣化を抑えつつ焦点深度を拡張可能なX線顕微鏡用光学素子の研究に取り組んできた。これまでに逆位相コンポジットゾーンプレートを発案し,空間分解能の劣化を8%に留め焦点深度を2倍に拡大できる設計値を見出した。本研究では実際に逆位相コンポジットゾーンプレートを製作し、性能を実測し、実験により動作原理の実証を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
基盤研究(C)「回折限界を超えるX線用回折格子型集光素子の提案とシミュレーションによる原理検証」(2016~18年度)において、空間分解能の劣化を抑えつつ焦点深度を拡張可能な新しいタイプのX線光学素子である Inverse-phase composite zone plate(IPCZP)を発案し [査読付プロシーディングスで発表] 、シミュレーションを実行し空間分解能の劣化を8%にとどめ焦点深度を2倍にできる設計値を発見した[査読付論文で発表]。これにより当該研究の目的は達成された。しかしその設計値はゾーンの格子構造の最大アスペクト比が30を超えており、現状の加工技術では製作が困難である。基盤研究(C)「回折限界を超える逆位相コンポジットゾーンプレートの実用設計」(2019~22年度)では、現状の加工技術で製作可能な回折限界を超える空間分解能と焦点深度が得られる実用性のある設計値を見いだすことを目的とした。本研究では、実際にIP-CZPを製作し、性能(空間分解能、焦点深度、光学伝達関数)を実測し、実験により動作原理を実証することを第一の目的としている。 令和5年度の研究では、①IP-CZPの設計値を再確認し最終仕様を決める、②製作会社と製作法の詳細をつめる、③焦点深度内の光軸方向の波動伝播の効果を考慮した光学伝達関数の計算方法を検討する、ことを計画した。①の概要:最終仕様を決定した。これにより、空間分解能は84 nm、焦点深度は213.6 umが期待できることをシミュレーションで確認した。②の概要:製作に発注後5ヶ月かかることがわかり、2年目に予定していた発注を繰り上げ、発注した。③の概要:帯域制限角スペクトル法に基づく波動伝播のシミュレーションコードをpythonで開発した。IP-CZPへの適用の検討にはまだ進んでいない。③の成果を国内会議のポスター発表1件で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度の研究では、①IP-CZPの設計値を再確認し最終仕様を決める、②製作会社と製作法の詳細をつめる、③焦点深度内の光軸方向の波動伝播の効果を考慮した光学伝達関数の計算方法を検討する、ことを計画した。①と②は当初計画より早く進んでいるが、③の波動伝播のシミュレーションコードでは、IP-CZPの具体的設計値への適用の検討には取り掛かれていないため。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では実際にIP-CZPを製作し、その性能(空間分解能、焦点深度、光学伝達関数)を実測し、実験により動作原理を実証することを第一の目的とする。発注したIP-CZPが納品され次第、その性能評価実験に取り掛かる。空間分解能と焦点深度の評価実験を先行して行う。次に、試料内の光軸方向の波動伝播の効果を考慮した光学伝達関数の計算方法を開発することを第二の目的とする。具体的には、焦点深度内の光軸方向を微小距離間隔(dz)に分割し各zでの点像分布関数を計算し、それらを結像面で積算することによって第一次近似としての光学伝達関数は得られるはずである。さらに、毎dz間の波動伝播を考慮したより精緻な光学伝達関数の計算方法を開発する。本研究では、帯域制限角スペクトル法に基づいて波動伝播をシミュレートすることを計画している。その計算コードは開発済みなので、設計したIP-CZPへの適用の検討を早急に開始する予定である。
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