| Project/Area Number |
23K11728
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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| Research Institution | Bunkyo University |
Principal Investigator |
川合 康央 文教大学, 情報学部, 教授 (80348200)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池辺 正典 文教大学, 情報学部, 教授 (10453440)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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| Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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| Keywords | デジタルツイン / 都市モデル / シミュレーション / 避難経路アルゴリズム / 空間再現ディスプレイ / 防災行政無線 / 地理情報システム / ゲームエンジン / オープンデータ / 可視化 / 都市計画 / 防災計画 / 水害 |
| Outline of Research at the Start |
本研究は,都市型水害などの大規模自然災害に対する減災の検証を行うための,データ駆動型デジタルツインの構築を行うものである.市街地などの広範囲な都市空間を対象として,デジタルツインをモデリングし,シミュレーションを行い,結果をわかりやすく可視化する.複数のオープンデータから地理情報モデルを作成し,これに種々のデータを組み合わせ,目的に応じた詳細度を持つデジタルツインを作成し,様々な条件下でのシミュレーションを実施する.また,シミュレーション結果に応じた避難支援システムを開発し実証実験を行う.これらは,オープンデータを用い,低コストで使いやすいデータ駆動型デジタルツインシステムとして開発する.
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,水害をはじめとする大規模自然災害に対する防災計画の策定を支援するための,データ駆動型デジタルツイン構築を行うものである.都市のデジタルツインは,現実空間(フィジカル空間)の都市の状況を,仮想空間(サイバー空間)に複製し,ビジュアライゼーションやシミュレーションを行うものである. 令和6年度は,県レベルの広域都市空間モデルを仮想空間上に再現し,様々な都市情報を重層的に可視化するシステム基盤を開発した.開発環境として,統合開発環境であるゲームエンジンを利用し,各種オープンデータを活用した.モデリングでは,国土交通省のオープンデータPLATEAU,OpenStreetMap,Google Photorealistic 3D Tilesなどの複数の3次元都市モデルデータをゲームエンジン上に取り込み比較した.また,国土交通省によるオープンデータをクラウド上で連携し,浸水域を都市モデルに重畳表示する可視化システムを実装し,避難可能建物と通行可能道路網を直感的に提示した.可視化手法として,空間再現ディスプレイ上に縮尺1/1000で広域都市モデルを立体表示する手法を確立した. 避難シミュレーションでは,流体モデルによる解析と,経路探索アルゴリズムを用いた避難エージェントを作成し,災害時の避難完了率と新規避難所設置効果を分析した.経路探索アルゴリズムの性能比較では,ランダム生成される都市道路モデル上に,A*最短経路アルゴリズムとダイクストラ法で避難するエージェントを実装・比較し,計算時間を約1/10へと短縮した.また,位置情報とWebGLによるブラウザ上で動作可能な都市避難所可視化システムを開発した.さらに,防災行政無線の発声者別明瞭度実験を実施し,音声設計指針を提案した.これらの成果により,都市レベルでの災害リスク可視化と避難行動支援の基盤技術が大きく前進した.
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和6年度は,都市デジタルツイン基盤システム上に各種ビジュアライゼーション機能及びシミュレーション機能を実装した.開発環境として,ゲームエンジンUnityと地理データプラットフォームCesiumを用いた.都市モデルは,Cesium for UnityによるクラウドモデルとPLATEAU SDKによるローカルモデルの二系統を実装し,読み込み速度や描画速度の処理比較を行い,システムに応じた開発手法の検討を行った.浸水解析は,格子法による流体演算を用い,水面変動や流速分布を動的に再現可能なものとし,水流伝播,建物衝突,内陸浸水過程を時系列に沿って再現した. エージェントによる避難シミュレーションでは,A*最短経路アルゴリズムを実装し,ダイクストラクト法と比して平均探索時間を約1/10へ短縮した.都市モデルの空間再現ディスプレイへの表示では,Cesiumによる地理情報モデルと立体視カメラの座標の統合を行った.また,クラウドデータ連携により,モデル読み込み用の仮想カメラから必要なモデルをストリーミングで取得するなど,大規模都市モデル読み込み処理の大幅な軽量化を行うことによって,県レベルの広域モデルの操作を可能なものとした.さらに,CityGML,Json,CSV,KMLなど,様々なオープンデータを地理モデル上の座標に読み込む機能を開発した.開発したシステムを用いて,避難所や自然災害伝承碑などのビジュアライゼーションを行い,可視化の評価とホットスポットの分析を行った.防災行政無線実験では,人工音声と音声加工を用いた実験を通じて,発声者特性による了解度を計測し,防災放送に関わる基礎データを取得した.システム開発では,生成AIを活用することによって,主としてコーディング作業などの開発工数を大幅短縮することが可能であり,当初計画を上回る速度で基盤整備と応用実証が進展している.
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| Strategy for Future Research Activity |
次年度は,プラットフォームとなる都市デジタルツインシステムを基盤に,都市水害の実態に即した高精度な時系列浸水状況の再現と,大規模エージェントによる避難シミュレーションを行い,防災計画に資するデータ取得を行う.都市のモデリングでは,各種オープンデータモデルの軽量化処理とともに,ドローンや全天周カメラ,LiDARなどを組み合わせた実測位モデルとの統合を行い,建物の内部空間を再現したモデルによる垂直避難の検討など,詳細モデルの開発と検証を行う.また,気象情報や河川水位などリアルタイムデータとの連携を実装し,浸水予測を自動生成する機能について検証する.避難シミュレーションでは,流体シミュレーションの軽量化と避難経路アルゴリズムの高精度化を進めるとともに,これらを組み合わせることによって,現実的な避難シミュレーションと防災拠点の最適配置について検証する.また,学習型避難エージェントを導入し,浸水深・道路閉塞・群集密度を学習した避難行動を再現する.さらに,海外の事例データと比較するデータセットを整備し,国際的な防災基盤としての課題を明らかにする.ゲームエンジンで開発したシステムを,機能の精査を行いWebブラウザ上で動作させるシステムへと移植し,誰もが簡単にスマートフォン上でリアルタイムに使用可能なアプリケーションへと展開する.Webシステムは,災害時のみならず平常時の利用も想定した機能を付与することで,UXデザインの最適化を行う.これらの計画を実装することによって,三次元都市モデルを核とする都市防災システムの統合基盤を社会実装段階へと進めていくこととする.
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