Project/Area Number |
23K11733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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Research Institution | Fukui University of Technology |
Principal Investigator |
竹田 周平 福井工業大学, 工学部, 教授 (60511954)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | デザイン思考法 / 熱中症対策 / デザイン開発 / 深部温度 / 計画飲水 / プレクーリング / センシング / 医工連携 / 暑熱災害 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,研究期間で「誰もが容易に利用できる熱中災害防止のスマートシステム」の実用化を目指す.ここで目指すシステムは,人に設置したウェアラブル型のセンサから,熱中症の危険性が高くなる前の段階でアラートを発する安全の可視化や,WBGT値等のセンシングデータを利用した最適水分補給量の管理等(深部温度の上昇抑制する保全的処置),更にはアラート後の迅速なケア(深部温度を下げる方法)までの一連の管理を専門的な知識や経験がなくても誰もが容易に安全管理できるシステムを構築することを目的とする.特にデザイン思考法を取り入れ,臨床実験等でのプロトタイピングとテストを繰り返しプロダクトを生み出す.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,3年間の研究期間で,デザイン思考法に基づく「誰もが容易に利用できる熱中災害防止のスマートシステム」の実用化を目指している.近年,「熱中症による死傷者の増加」という課題が指摘されている.熱中症は体温(深部温度)が上昇することで起きる熱傷害である.これまで,医学分野(生理学)や情報分野(センシング),また啓発等の教育などが実施されてきたが,これらの対策効果が発揮されていない.「なぜ,対策を実施しているのに,死傷者が増加するのか?」この学術的問いに対し,本研究では熱中症対策に関する研究の空白分野を先行研究から発見した.研究では,デザイン思考法を取り入れて現場の真の課題を明らかにする.そして,医工連携により,誰もが簡単に使用できるスマートシステムをデザイン開発・実用化し,熱中症の死傷者を減少させる.令和5年度は,建設業(国土交通省直轄現場)を中心に,デザイン思考法による現場の観察及びプロトタイピングのテストを繰り返した.また,ユーザビリティ調査から,ユーザーからの意見を整理しながら,プロトタイピングとテストを繰り返し実施した.この結果,対象となった建設現場(建設系は最も熱中災害のリスクが高い)では,熱中症を未然に防止することができた.また,成果の一部を日本災害医学会において口頭発表を実施し,成果の担保を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
[進捗状況の評価]・・おおむね順調に進展している・・ この理由として,令和5年度は,国土交通省直轄工事の中で,複数の建設現場を対象にプロトタイピングを導入した.この結果,厳しい暑熱環境下での作業状態であったが,従業員の熱中症を未然に防止することができた.この中で,特筆すべき成果として,過去に熱中症になった経験のある作業員が含まれており,その対象者も熱中症を防止できた点が挙げられる.更には事後のユーザビリティ調査で,目標とする「誰もが容易に利用しながら安全管理が円滑にできた」などの結果も得られた.また,日本災害医学会において口頭発表を行い,医師はじめ様々な背景の研究者から意見を得て,研究の客観性を担保することが出来た.更には,国土交通省の近畿地方整備局や北陸地方整備局において,関係者を対象にシステムの概要や期待される成果の報告に加え,令和5年度の結果を報告することができた.従って,研究は計画通りおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は,令和5年度に引き続き,暑熱対策が必要な現場において,改良型のプロトタイプを導入,テストを繰り返す.なお,熱中症の疑いとなった場合の応急的な対策とその対策の可視化に着目したデザイン開発を行う予定である.具体的には,6月末から9月末までの期間で,建設現場や製造業(プラント等)を対象に試験を行い,また関連分野である運動(スポーツ)にも着目し試験を実施する.10月以降は,得られたデータを整理分析し,効果を検証する.更には,年度末に学会で口頭を発表行うことを目指す.
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