Project/Area Number |
23K11734
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 一成 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10330789)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | ハザードマップ / 認知地図 / トポロジー / 災害 / 避難 / GIS |
Outline of Research at the Start |
この研究は,我々のイメージする都市空間(認知空間)をもとに,特にこれまで災害から逃げることをためらう層を対象として,抵抗なく避難できる避難計画(トポロジカル・ハザードマップ)を作成すること,さらにはこれを作成するために必要な地区セミナーや避難訓練,パンフレット等のソフト面での取り組みに対する提案を行うことを目的としている。我々が避難する際に,速くてわかりやすいと感じる経路と避難場所,およびその要因の一部をこれまでの研究で明らかにしている。ここでは避難行動と認知空間の関係をさらに加えて定量的に明らかにし,これまでとは異なる表現のハザードマップを提案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
この研究は,我々のイメージする都市空間(認知空間)をもとに,特にこれまで災害から逃げることをためらう層を対象として,抵抗なく避難できる避難計画(トポロジカル・ハザードマップ)を作成すること,さらにはこれを作成するために必要な地区セミナーや避難訓練,パンフレット等のソフト面での取り組みに対する提案を行うことを目的としている。我々が避難する際に,速くてわかりやすいと感じる経路と避難場所,およびその要因の一部をこれまでの研究で明らかにしている。ここでは避難行動と認知空間の関係をさらに加えて定量的に明らかにし,これまでとは異なるハザードマップを提案することを目的としている。 まず,これまで行ってきた空間認知調査の結果にもとづいて,5つの対象地について空間認知調査(認知マップ調査)を行い,得られたデータをもとに,GIS(地理空間情報システム)を用いて空間の歪みを計測する。通勤通学路等のよく利用する街路・道路,店舗や施設など描画要素に着目した分析と,道路勾配や地形に着目した高さ方向の分析を行い,認知空間の構造を把握する。これらの結果を合わせみることで,空間的に認知空間と現実空間とのゆがみを定量把握する。この調査では,3対象地区について調査を行い比較分析を行った。 調査結果にもとづいて,ハザードマップの基盤となる地図を作成し,避難経路表現手法について検討を行う。これまで,対象地区における防災計画(避難計画)の現状を調査し,主として避難経路,避難場所の設定手法について類型化をおこなう。上記分析結果が実際のハザードマップと大きく異なる場合に,その周知のために必要な課題等をまとめる。また,調査分析結果との関係から課題点,特にこれまでの災害現場における問題点等について,報道関係資料等から抽出しまとめる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID-19の影響により,対象となる小学校での調査が十分に進行していないことが,全体の分析結果に影響を与えている。 本研究における分析では,ゆがみを補正してきた測量技術と情報技術を用いることで逆にゆがみの性質を明らかにすると同時に,それまで明らかにされてこなかった認知空間のゆがみについてその法則を試行している。異なる対象地区における空間構成要素を比較分析することで,居住者イメージのゆがみを形成する共通の空間構成要素を抽出しようとしているが,分析におけるサンプル数は十分ではない。 本研究では最終的に,実験調査の成果を用いて,近年特に焦点を当てるべき安全なまちづくりのための避難経路・避難場所の設定とその検証を行い,その成果を具体的な現実空間に適用しようとする。実験対象となる地区は,このようなハザードマップと比較可能な空間構成要素を有していることが望ましく,他の対象地区と比較検討するための地区選定に時間を要している。今後は現在の整備状況と現場の危機意識等をもとに,対象地区となる市町村に依頼する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
対象地区の選定にあたり,上記の課題から現状での課題,対策,その他の条件から市町村に対して依頼すると同時に,資料となる現況のハザードマップとその根拠資料を集める。また,災害に対する基盤地図を整備することで,実験データと現況の比較のための資料をまとめる。基盤地図では,地形等の自然条件,施設位置や交通機関など,さらに危険箇所等を集約する。 対象地区では,小学校高学年を対象に認知地図調査を行い,具体的なゆがみとその要因を抽出する。さらに,これまでの実験結果との比較から,トポロジカルな要因にもとづくハザードマップを作成する際の空間構成要素を抽出する。調査にあたっては,これまで直接調査を行う場合と,現場教員に依頼する場合があったが,どちらの場合にも対応可能となるよう計画を作成する。 本年度中に全ての調査と実験を終え,ハザードマップの表現形式となるトポロジーについて検討する予定である。
|