Project/Area Number |
23K11742
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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Research Institution | Wakayama University |
Principal Investigator |
川角 典弘 和歌山大学, システム工学部, 講師 (30252547)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 里見 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (60284741)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 仮想空間 / 強化現実 / 協同設計支援 / 多視点 / 視線可視化 / 街路景観 / インテリア計画 / 複合現実 / 設計・計画支援 / デザイン教育 / CG |
Outline of Research at the Start |
遠隔地を繋いだビデオ会議やデジタル教材を活用したオンライン教育が拡がりつつある中,建築やインテリア等のデザイン教育分野のデジタル化が必要である。本研究は,AR/VR/MR等の複合現実感技術に注目,仮想空間上で設計対象を実スケールで共有しながら設計指導を行えるスタジオ環境と教育手法のあり方を検証する。デザイン教育での直感的操作を実現する仮想空間モデル共有では,複数の受講者,教育者が設計対象を多視点・多人数で確認しながら討論するインタフェースと検討履歴を保存するアーカイブを構築して仮想空間を活用したデザイン教育に必要な知見と実践的有効性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究開始年度にあたる本年度は、主に既存の仮想空間の構築技術やツールを活用して仮想空間にてデザイン検討を行う際の技術検証と評価を中心に取り組んだ。 和歌山大学からは、ARによるオンサイト型空間検証ツールとVRに対応した空間照明検討支援ツールの開発を行い、建築学会近畿大会及び第46回 情報・システム・利用・技術シンポジウムにて研究発表を行なった。これらの試作ツールでは、ARによる商品棚の配置と視線の可視化を可能にし、設計対象のデジタルモデルを現場の状況と重ね合わせて評価すること、照明環境の検討ツールでは、VRを活用して現場での再現が困難な照明器具の配置とその効果を可視化することが可能になった。これらの取り組みで、主にインテリアなどの屋内空間におけるデジタルメディアを活用した討論や検証を多人数・多視点で行う際の知見を得ることができた。 熊本大学からは、主に街路景観などのエクステリアを対象に、VRによる街路樹やストリートファニチャの配置が空間に与える印象を評価する支援ツールの開発に取り組み、建築学会近畿大会にて研究発表を行なった。この事例では、仮想空間を共有する際にどの箇所を見ているかという視線と注視点をデータとして収集し、評価するための知見が得られた。 また多人数参加・非専門家も参加するデザインレビュー環境の試行として、3DCGモデルをネットワーク経由で共有し、HMDを装着した参加者が没入型のメタバース空間を探索できるUnreal EngineベースのCollab Viewerを利用した討論実験を行なった。この実験では、それぞれの大学にて作成した建築物の設計案をCollab Viewerにて対象敷地を含めてシェアし、ビデオ会議ツールを併用しながら熊本-和歌山の遠隔地間でプレゼンテーションを行い、参加者は独自の視点やウォークスルーによる空間体験を行うディスカッション実験を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究者である熊本大学本間研究室とは、オンライン会議ツール(ZOOM)を利用した定期的なミーティングを行った。和歌山大学からはAR/VRによる仮想空間を活用したデザイン検討支援ツール開発の取り組みについて、熊本大学からは、街路景観の検討とデザインレビューを行うVR型の討論支援ツールの事例について意見交換を行い、研究成果の共有を進めている。 熊本大学-和歌山大学間で行なった仮想空間を共有した討論実験では、対面でのデザイン討論に比べて、建築物や場所をその場にいるような臨場感の高い状況での協同作業の可能性を示せたが、一方で、アバターとして表示された協同作業の参加者の姿や区別がわかりにくい、討論対象の指示やアノテーション(書き込み)の書き込みやすさ、トピックのコメントの見つけやすさ、多人数参加の場合、参加者が注視している箇所が把握しにくい、などの技術上の課題や討論プロセスに関する検討事項が見つかった。既存の仮想空間共有ツールやサービスでは、建築設計や都市計画で行うような図面、模型、3DCGをインターフェースの改善やアバターのカスタマイズといった多人数の学生や教員の参加を前提としたシステム環境のモデルの見直しが必要と考えている。 仮想空間の利用では、建築・都市モデルのデジタル表示と現実空間での表示の差異、空間の捉え方についてアンケート及びインタビューで明らかにしている。またHMD、タブレット、大画面モニタなどデバイスによる表示の違いや扱いやすさについて同様の調査を行い、知見を得ている。
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Strategy for Future Research Activity |
前述のCollab ViewerなどのUnreal Engineベースの試行に加え、現在は、独自の仮想空間コンテンツを構築できるメタバース提供サービスを利用した技術検証を進めている。特にCluster、SandBoxなどソーシャルネットワーキング向けのサービスは、参加者が自由にアバターを編集出来るほか、3DCGツールで作成したオリジナルの空間を提供、体験できるプラットフォームとして検証を行なっていく予定である。また最近サービスが提供されたAutodesk社BIMの機能拡張による3Dモデルを仮想空間上でシェアできるサービスを利用して、設計や計画などを多人数で行うツールの試行の準備も進めている。 これらの試行環境では、図面や模型を利用する対面型のデザイン検討、作業環境に比して、仮想空間上で提供する建築・都市空間の捉え方、理解のしやすさ、雰囲気など現実空間とは異なる違和感や空間認知のプロセスについても検証していく。 現在、既存のメタバースあるいは仮想空間利用ツールに加え、本研究で独自の機能の提案や検証を行う開発環境として、AR/VRの機能拡張と独自のインタフェース構築が可能なUnityあるいはUnreal Engineをプラットフォームとしてシステム環境の構築に取り組んでいく。また仮想空間を体験、共有する際の臨場感の向上につながる素材、色彩、陰影などのレンダリング品質と空間的な拡がりを持つ建築・都市のような、ある程度の大きさ以上のデータ量になるモデルがリアルタイムかつインタラクティブに表示できるような機能強化が必要と考えている。
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