Project/Area Number |
23K11748
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90010:Design-related
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Research Institution | Kanto Gakuin University |
Principal Investigator |
酒谷 粋将 関東学院大学, 建築・環境学部, 准教授 (20772148)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 対話 / デザイン / 実践共同体 / ワークショップ / マインドセット / 創造性 / 建築デザイン / 越境 |
Outline of Research at the Start |
本研究では多様な主体が建築デザインを通して実践共同体を形成し、またその共同体が他の共同体と連携して人々の繋がりを拡げるデザインの方法を探究する。まずは多主体との対話によるデザインの実践と同時にその実践共同体の形成プロセスを分析することでデザインプロセスと共同体形成の関係性を読み解く。また共同体に属する個人に向けたインタビューやアンケートを実施し、そのマインドセットの変化について調査する。更に共同体がその境界を超えて他の共同体と連携するに至る共同体の拡張のプロセスを調査・分析する。以上の研究の成果を踏まえ、実践共同体の形成・拡張プロセスとして捉える「対話によるデザイン」の方法論を取りまとめる。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、これまでに取り組んできた多主体による建築設計のプロジェクトにおけるワークショップの実践記録を対象に、いくつかの視点からその分析を行った。それに加え、まちづくりの実践共同体の形成プロセスの起点となるその構成員のマインドセットに関する調査・分析をおこなった。具体的な内容は以下の通りである。 まずワークショップの実践記録を対象とした分析について、大きく3つの観点からの分析を行った。第一にワークショップにおける参加者らの思考に着目し、ワークショップの題材として予定調和的ではない飛躍を伴うデザインの案を提示することが、その後の参加者らの活発なデザインについて思考の展開につながることを示した。第二にワークショップへの参加者らの世代のギャップに着目し、単純に世代を混ぜ合わせたグループ編成をするのではなく、まずは世代ごとにグループを分けた対話を行った上で混成グループを形成した対話を行う2段階の構成によるワークショップを実施し、その分析を通して前半の世代別の対話がその世代の特徴を色濃く表すアイデアの生成の場となっていると同時に、そうした特徴あるアイデアが後半の対話の中で新たなアイデアの生成につながることを示した。第三にワークショップにおける対話を人と人との対話のみに着目するのではなく、模型や図面等の“モノ”にも着目した分析を行った。その結果、モノの存在が人と人との対話を媒介したり、人ごとにことなるモノについての解釈や理解が新たなデザインのアイデアにつながるプロセスを明らかにすることができた。 次にまちづくりの主体のマインドセットに着目した分析として、これまでの研究で実施していた横浜市の実施する「ヨコハマ市民待ち普請事業」の選定団体を対象としたインタビュー記録の分析から、まちづくりの主体がその活動を継続・展開する心理的条件にかかわる要素や概念の抽出とその体系化を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画書においては①デザインの実践②共同体の形成プロセスの記述・分析③マインドセットの調査を定めていた。①については計画通り、②についてはワークショップの記述・分析にとどまっており、共同体の形成プロセスについては深くは触れられておらず、③については次年度以降に想定していた分析作業が大きく進んだことから、総合的にみて現在研究の進捗状況として「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回分析の対象としていた実践プロジェクトとは別に、新たな実践プロジェクトが今年度から始動する予定であり、実践活動を進めるとともにその記録と分析を行う。またこのプロジェクトは以前のものよりも関係者も多く、共同体の在り方についても詳細な分析が可能であると見込んでおり、初年度に大きな進展が見られなかった実践共同体の形成プロセスについての研究計画の部分に切り込んだ活動を推進していきたい。
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