がん関連筋肉異常における音響特性の解明:実質的利益に直結した患者支援への展開
Project/Area Number |
23K11812
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90110:Biomedical engineering-related
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
丸山 紀史 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (90375642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 憲司 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (10572985)
山口 匡 千葉大学, フロンティア医工学センター, 教授 (40334172)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 癌 / 活動性 / 筋肉 |
Outline of Research at the Start |
がん食欲不振・悪液質症候群は、しばしばがん患者における形態的・機能的筋肉異常を引き起こす。本病態は治療の継続性低下や副作用増加、QOL悪化、予後不良などに関わることからがん診療において極めて重要な問題点である。ここで筋肉は検体による組織診断が困難なため、画像による非侵襲的評価の意義が高い。そこで本課題は、低侵襲・高分解能という特徴を有する超音波に注目した。また筋肉の組織や機能の変化を反映するパラメータとして、過去の実績を基にインピーダンスと音速(高周波超音波顕微鏡で計測)を選択する。その成績を画像情報へ展開することで「がん関連筋肉異常の診断・モニタリングツール」を導入する。
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Outline of Annual Research Achievements |
まずコントロールマウスと担癌モデルマウスにおける活動量を検討した。コントロールマウスについてはC57BL/6JJclを使用し、8週齢*1匹、14週齢*2匹、20週齢*1匹を対象とした。一方、担癌マウスとしては、乳癌モデルマウス(6週齢、メス、移植場所/脇腹)を選択し、Ehrlich(Jcl:ICR)とFM3A(C3H/HeNJcl)を、それぞれ2匹ずつ使用した。腫瘍長径は7.27-8.75mm、体重は19.4-33.0gであった。購入時から死亡までの活動量を赤外線センサー(ACTIMO-100N、APU-4、ACTIMO-DATA)によって評価した。なお、飼育室内の照明調整によって7時~19時を日中時間、19時~7時を夜間時間に設定した。 1.コントロールマウス:生存期間に個体差があるが、大部分のマウスは長期に生存した(30週以上)。またその間の活動量には変化を認めず、死に至るまでの活動量変化の検討には適さなかった。 2.活動量の検討-初期レベル:コントロールと担癌マウスともに夜行性で、夜間の活動性が日中に比べて有意に高値であった。軽度衰弱レベル:夜間の活動性が低下傾向を示し、日中の活動性と比べて有意差を示さない。高度衰弱レベル:夜間の活動性が、日中の活動性に比べて恒常的に低値を示した。このように、赤外線センサーによってマウスの活動量が定量的に表現され、初期レベル、軽度衰弱レベル、高度衰弱レベルを客観的に判定することが可能となった。 3.担癌モデルとしての適性:Ehrlich(Jcl:ICR)とFM3A(C3H/HeNJcl)では、個体サイズに差があり、後者の方が明らかに小型であった。しかし、死亡までの期間や活動量において、前者の方がばらつきが強く、統計的検討には不向きと考えられた。死亡後の筋肉採取には小型の方が不利だが、今後の検討は後者(FM3A)を使用することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
担癌モデルマウスについても活動量を計測した点は計画よりも進んでいるが、マウス筋組織と音響特性計測の検討が実施されていない点は遅れている。遅延の理由は、コントロールマウスが予想外に長く生存したため安楽死のタイミングがなかったこと、担癌モデルマウスについては急激な状態悪化のため予想以上に早く死亡に至ることがしばしばであったため適切な検体処理が行えなかったことがあげられる。一方、今回の経験で、死亡までの状態変化や活動量低下の推移を把握することができたことから、今後はサンプル数を確保してデータ蓄積を進めたい。
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Strategy for Future Research Activity |
担癌モデルマウスについて活動量の変化に応じて安楽死させ、筋肉の音響学的所見や病理学的変化を検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)