Project/Area Number |
23K11861
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90120:Biomaterials-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大高 晋之 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (30739561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岡 哲二 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (50243126)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アルギニンメタクリルアミド / カチオンフリー / 双性イオン性ポリマー / mRNA送達 / 細胞内輸送 / グアニジル / mRNA / アルギニン / 双性イオン性 / エレクトロポレーション |
Outline of Research at the Start |
水溶性ポリマーにArg-MAを共重合したポリマーを合成する。mRNAを効率的に細胞内に導入するためには、mRNAの保持、酵素分解からのmRNA保護効果、低い細胞毒性、細胞膜透過性、の4種類の特性が求められると考え、異なるモノマー比や鎖長でポリマーを合成しどのような組成でポリマーを合成し、各特性を実現するために必要となるポリマーの要件を検討する。また、候補のポリマーが実際に高いmRNA送達効率を示すかを細胞を用いて検証する。また、組織欠損マウスを用いて組織異性の亢進効果があるかを検証することで、mRNA治療への活用可能性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
生体内リボ核タンパクに倣って、細胞障害性の要因となるカチオン性を排した「カチオンフリー」核酸送達キャリアを設計した。リボ核タンパク質がアルギニンを核酸保持に活用することに着目し、アルギニンのα位アミノ基をメタクリル酸で修飾したアルギニンメタクリルアミドを構成モノマーとして用い、他の双性イオン性モノマーと共重合することで側鎖にグアニジル基を有する電気的中性な水溶性ポリマーを合成した。合成したポリマーをmRNAと混合してゲル遅延アッセイを行い、ポリマーとmRNAの複合化を確認した。ポリマーを蛍光標識したうえで細胞取り込み挙動を評価したところ、培地中に添加したポリマーが4度の温度条件下でも細胞質内に浸透する様子が観察されたことから、本ポリマーがエンドサイトーシス非依存的に細胞内に移行していることが示された。また、細胞毒性試験により、同ポリマーがポリカチオンと比較して細胞毒性が低いことを確認した。これらの結果より、アルギニンメタクリルアミドポリマーがカチオンフリーとすることでカチオン性に起因する細胞毒性を回避できることがわかった。 次に、トランスフェクションを効率化する分子組成を探索するため、モノマー組成比と鎖長の異なるポリマーのライブラリーを調整した。蛍光タンパクをコードしたmRNAを複合化したポリマーを培地に添加し、細胞の蛍光発現を確認した。現在、トランスフェクション効率を最大化するポリマー合成条件の選定を進めつつ、マウスを用いたin vivoトランスフェクションの事前検証を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
アルギニンメタクリルアミドを含有するポリマーをラジカル重合とRAFT重合の2種類の方法で安定的に合成する重合条件が確定し、アルギニンメタクリルアミドの組成比が10~70%、分子量が10,000~1000,000という幅広いバリエーションのポリマーライブラリーの作製に成功した。また、ポリマーとmRNAの複合化、細胞膜透過的な細胞内取り込み、カチオン性ポリマーと比較した際の細胞毒性の低さ、蛍光タンパクをコードしたmRNAのトランスフェクションという、研究計画の前半で予定していたポリマー特性の実証が概ね達成された。細胞膜透過性と核酸保持を両立する水溶性ポリマーの報告は未だなく、特異な性質の材料を見出したと考えている。また、トランスフェクション効率を最大化するポリマー設計についても、複数の有力な設計変数を見出しつつあること、in vivoへのトランスフェクションの予備実験にも着手していることから、当初の計画書を繰上げて研究が実施できていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者が歯学部系の研究室(岡山大学・医歯薬学生体材料学分野)に異動したことで、今後研究計画を変更する必要が生じてくると考えている。具体的には、新たな研究室が研究対象としている硬組織を想定して、 ターゲットとなる細胞や導入する遺伝子などin vivo 遺伝子導入実験の計画を見直す必要性がある。一方で、異動後の環境でも引き続きポリマー合成や細胞実験等などが実施可能であることは検証済みであることから、根本的な部分で研究遂行が困難になることは想定していない。
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