Project/Area Number |
23K11876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90130:Medical systems-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
松田 豪 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 助教 (70501641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 太志 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 助教 (20633556)
佐々木 真理 岩手医科大学, 医歯薬総合研究所, 教授 (80205864)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 磁気共鳴画像診断装置 / 7T MRI / 送信電磁波 / 送信磁波分布 / AFI法 / FA分布計測法 / 超高磁場 / 送信磁場分布 / 送信磁場分布計測 / 位相感応型送信磁場分布計測 |
Outline of Research at the Start |
ヒト脳画像研究では7TMRIを使用する事で感度と精度の向上が可能である。しかし脳内の送信磁場(B1+)分布が被検体ごとに異なることで精度が低下するために、B1+分布を計測して補正する必要がある。しかし3T装置で確立されてきたB1+分布計測手法は比吸収率が高く、位相の動揺により7Tへの応用は困難である。 そこでactual flip angle imaging(AFI)法を元に、位相感応型法phase-sensitive(PS)-AFI法とB1+分布算出ソフトウェアを開発し、複数名のボランティアで可用性を検証することで、超高磁場MRIで高い精度のB1+分布を計測する技術を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
脳画像研究では、形態情報にのみならず生物学的な特性や代謝を反映する機能情報が必用とされる。超高磁場7T MRIでは、高い信号ノイズ比を生かして形態情報・機能情報の感度や精度の大幅向上をもたらすことが可能である。しかし7T MRIでは、誘電率効果によって送信電磁波 (radio frequency: RF)の波長が短くなり,導電率によりRFの体内減衰が大きくなる。そのためにRF強度であるフリップ角 (Flip angle: FA)分布が不均一となり,MR信号の強度分布も不均一となり、形態情報・機能情報の劣化が生じる。従って7T MRIでは、各被検体ごとに脳内のFA分布を計測してMR信号の不均一性を補正する必要がある。しかし計測したFAの検証方法が無いために不正確なFA値 (エラー値)を使用してしまう場合があり、エラー値を回避可能な撮像条件(設定FA値)の許容範囲は狭く各装置や被検体ごとに最適化する必要があることが判明した。 そこで、FA分布計測法の一つであるactual flip angle imaging (AFI)法に位相感応型(PS)撮像法を組み込み解析することで、設定FA値の許容範囲を拡大でき、かつエラー値の判別が可能になると考え、7T MRIで利用可能な独自の高精度FA分布計測法を新たに開発することを目的とした。 本研究では、AFI撮像時にMRI信号の極性情報を得るための参照画像を同時収集するPS-AFI撮像シーケンスを開発する。次いでPS-AFI画像からFA値を算出しB1+分布を取得するソフトウェアを開発する。さらにヒト頭部ファントムを作成し、PS-AFI法とAFI法を撮像し、算出されたFA分布を比較することで、PS-AFI法の精度を検証する。その後、成人ボランティアを対象にPS-AFI法とAFI法を撮像し、B1+分布計測の精度と安定性を確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度はAFIによるFA画像の撮像時に、MRI信号の極性情報を得るための参照画像を同時収集するPS-AFI撮像シーケンスの開発をおこなった。三次元spoiled RF gradient echo法を基にして、複数回連続して撮像が可能で、各撮像において設定FAを変更できるAFIシークエンスを作成することで、最も低い設定FAによるAFI元画像から参照画像を得られる様にした。さらにPS-AFI画像からFA値を算出しFA分布を算出するソフトウェアの開発をおこなった。PS-AFI画像で得た最も低い設定FAによるAFI元画像から位相を算出し、得られた位相をAFI元画像から引くことで、位相補正をおこなった。 さらにボランティアによる三次元頭部MRI画像から輪郭を抽出し、STL形式に変換後、必用な厚みと底板を加えることで、ヒト頭部ファントム容器を設計し、3D プリンターを使用してファントム容器を作成した。 ファントムに使用する溶媒の基本的特性を得るために、6種類の濃度の食塩水(0.0, 1.32, 3.85, 4.4, 4.95, 5.5, 6.6 [g/L])を作成し、重量比2%の寒天を加えて固形化することで、異なる濃度の食塩水溶液と寒天試料を作成し、導電率と誘電率の計測をおこなった。その後食塩水溶液と寒天試料をMRI撮像することで、各々の試料のMRI撮像時に必用となるRF強度、FAを実測した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降はまず食塩水溶液と寒天試料より得た導電率と誘電率、ならびにFAとの関係を解析することで、今回のファントムに最適な溶媒を決定する。その後、最適濃度の食塩含有寒天溶媒を使用して検証用ファントムを作成する。 作成したファントムを使用してPS-AFIシークエンスの撮像をおこなうことでPS-AFIシークエンスの完成を目指す。さらに得られたPS-AFI画像を用いてFA分布を算出することでFA算出ソフトウェアの修正と改良をおこなう。 その後、ファントムで追加のPS-AFI撮像を、異なる設定FAでおこなうことでPS-AFI撮像時に最適な撮像パラメター候補の決定をおこなう。 最適な撮像パラメター候補が絞られたら、ボランティアによる撮像を決定したパラメターでおこなうことで、最適な撮像パラメターの選択をおこない高精度FA分布計測法の完成を目指す。 さらに複数のボランティアによるPS-AFI撮像と解析をおこなうことで精度検証をおこなう。
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