Project/Area Number |
23K11918
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90140:Medical technology assessment-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
井川 和代 岡山大学, 中性子医療研究センター, 准教授 (90512111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 香枝 日本女子大学, 理学部, 教授 (40373310)
泉 健次 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80242436)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 三次元培養 / オルガノイド / 口腔がん / がん治療 / 3D モデル / トランスレーショナルリサーチ |
Outline of Research at the Start |
口腔がん治療においては抗がん剤や放射線治療同様、副作用として口腔粘膜炎が頻発し、経口摂食困難による全身の栄養障害に至る問題は未だに解決されていない。そこで口腔がんの腫瘍効果だけでなく口腔粘膜に対する生物学的影響を明らかにするために、本研究では口腔粘膜炎を評価できるモデルとして口腔がん細胞、口腔粘膜細胞、血管内皮細胞のハイブリッド型ヒト3次元細胞培養モデルを開発し、薬剤併用型放射線治療の生物効果評価法を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞に集積した薬剤と放射線を反応させてがん細胞を消滅させる細胞レベルの薬剤併用型放射線治療は、がん周囲の正常細胞への影響が少なく機能温存できるため次世代低侵襲がん治療として期待されている。一方、口腔がん治療においては抗がん剤や放射線治療同様、副作用として口腔粘膜炎が頻発し、経口摂食困難による全身の栄養障害に至る問題は未だに解決されていない。がん治療の開発では動物の口腔粘膜炎の摂食障害による死亡リスクからマウスの胃腸粘膜炎を指標としているため口腔粘膜炎のリスクは正しく評価できていない。そこで、本研究では、口腔がんの腫瘍効果だけでなく口腔粘膜に対する生物学的影響を明らかにするために、本研究では口腔粘膜炎を評価できるモデルとしてヒトの口腔がん細胞、口腔粘膜細胞、血管内皮細胞を用いたハイブリッド型ヒト3次元細胞培養モデルを開発し、口腔がん治療の生物効果評価法を検証する。具体的には、ヒト口腔粘膜線維芽細胞、ヒト口腔扁平上皮癌細胞、ヒト血管内皮細胞で構成するハイブリッド型3次元細胞培養モデルを作製し、この3次元モデルを用いて腫瘍縮小効果と口腔粘膜炎を放射線作用・薬剤作用・薬剤併用放射線作用の指標を算出して検証する。2023年度は、ゼラチン、またコラーゲンゲルを足場にヒト線維芽細胞、口腔扁平上皮癌細胞、血管内皮細胞を培養した血管網を有する口腔がんモデルを作製し、組織形態学的にモデルを評価した。また、血管網を有する口腔がんモデルに対して、X線、重粒子線を照射後、免疫組織学的にがん細胞と正常細胞に対する生物学的影響を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、血管網を有するハイブリッド型口腔がん3次元培養モデルを異なる足場や細胞で1. 血管網を有する口腔がんモデルの作製、2. 血管網を有する患者由来口腔粘膜モデルの作製3. 血管網を有する口腔がんとその周囲を再現した三次元モデルの作製し、組織学的に評価するを計画した。 1. 血管網を有する口腔がんモデルの作製においては、ゼラチンを足場にヒト線維芽細胞、口腔扁平上皮癌細胞、血管内皮細胞を培養した血管網を構築した3次元モデルを作製し、最適条件を決定した。さらに、2024年度に計画していた血管網を有する口腔がんモデルに対してX線、重粒子線を照射し、組織学的に評価した。2. 血管網を有する患者由来口腔粘膜モデルの作製においては、コラーゲンゲルを足場に患者由来口腔粘膜線維芽細胞と口腔角化細胞からなる3次元モデルに血管内皮細胞を培養して血管を有する患者由来口腔粘膜モデル作製の最適条件を検討中である。3. 血管網を有する口腔がんとその周囲を再現した三次元モデル作製においては、1. 2. の結果をもとに、コラーゲンゲルを足場に口腔粘膜線維芽細胞、口腔扁平上皮癌細胞、血管内皮細胞からなる3次元モデルに血管内皮細胞を培養した血管網を有する口腔がんとその周囲を再現した三次元モデル作製の最適条件を検証している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、血管網を有するハイブリッド型口腔がん3次元培養モデルを作製し、生物学的評価法を構築する。具体的には、3次元モデルの血管網に抗がん剤を添加し、正常部位、腫瘍部位、血管部位の薬剤濃度測定から薬剤投与後の血中濃度を推定する腫瘍対正常組織比を算出し、薬剤作用の指標を検証する。また、3次元モデルのがん細胞層にX線、炭素線、中性子線などの放射線を照射後、正常組織と腫瘍組織の組織形態学的解析から放射線作用の指標を検証する。
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