Project/Area Number |
23K11974
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90150:Medical assistive technology-related
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
大惠 克俊 日本文理大学, 工学部, 教授 (80388123)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 機能代行 / 発声障害 / 電気式人工喉頭 / 筋電位信号 / 真空エジェクタ / 吃音 / 食道発声法 / Arduino / 発声補助装置 / 発声支援装置 |
Outline of Research at the Start |
当該研究課題は何らかの原因で発声が困難または不能となった者が,健常な音声を取り戻すためのデバイスの実現を目的とする.本課題は5つの小課題から構成されており,1)高音質な電気式人工喉頭,2)発声補助用小型ポンプ,3)食道発声法練習支援デバイス,4)吃音改善デバイスの実現および,これらの中核をなす5)筋電位信号測定・制御ユニットの高精度化・低コスト化を行い,将来的に様々な福祉機器群の制御プラットフォーム化を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
研究体制の変更および機材の不具合により一部実施できなかった内容があるが,実施できた内容に関しては概ね良好な進捗が見られた. a) 人工喉頭システム:a-1) 人工喉頭の音源に関しては実施できなかった.a-2) 制御ユニットに関しては,Arduinoを用いた小型・低価格な制御ユニットを試作し,その性能評価に着手した.その段階において制御信号の生成に問題があることが確認され,その解決に時間を費やすこととなった.年度の最終段階において出力信号の生成に問題があることが判明し,それを解決するために新型のArduino R4を導入し制御プログラムの改良を行っている. b) 発声補助用小型ポンプ:計画通り真空エジェクタの機構を応用した新形状の有限要素シミュレーションを行った.側面の空気取り入れ口の数を変更することで流量や圧力が変化し,4つの穴を開けた際に出口圧力が最も高くなった.その際の圧力は十分高かったため,入口圧力を低下させても実用上問題のない圧力を実現できた. c) 食道発声法練習デバイス:これまでに作製した筋電位測定装置に使用していたArduino R3 Unoをより高性能なArduino R4 Minimaに変更,Myowareを用いて測定した筋電位信号を汎用のソフトウェアを用いて記録することは可能となったため,安価な測定システム実現へのステップとなったと言える. d) 吃音改善デバイス:年度途中で使用予定であったLabVIEWを用いた測定システムが故障したため,急遽Arduinoによる測定システムの構築を行うこととなり,実際の吃音者の測定は行うことができなかった.しかし吃音者が電気式人工喉頭を用いたところ吃音の症状は見られず,吃音の原因が声帯関係にあるのではないかという予測に至った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
人工喉頭システムに関しては,研究実施体制の変更から形状に関する内容が実施できなかった点がマイナスポイントである.制御ユニットに関しては処理の高速化を狙いArduino R3 UnoをR4 Minimaへ変更し,Myowareを用いた筋電位測定から制御信号の生成までを行うことができた.我々が使用している人工喉頭は入力電圧で発生周波数を制御する仕様であったが,R3のアナログ出力がPWM制御であったため制御することができなかった.R4はDACを内蔵しているため容易に制御用の任意電圧の出力が可能であると考えていたが,アナログ信号発生に手間取り人工喉頭の制御を行うことができていない.しかし年度末期に解決方法の目処が立ったため,今後は順調に進むと考えている. 発声補助用ポンプに関しては全く新規の形状であったが,既存の真空エジェクタの形状を基に考案したポンプ形状の有限要素シミュレーションの結果が良好であり,当初の予定より少ない個数のマイクロポンプユニットでも必要な圧力と流量を実現できる可能性が明らかとなったため,順調に進捗してると考える. 食道発声法練習デバイスに関しては,R3からR4へのシステム移行に想定外に時間がかかり,予定していた小型化,一体化に進むことができなかった.しかし汎用ソフトウェアを使用したMyowareの出力の計測および記録は可能となり,これは計画より進めることができたため,総合して順調に進捗していると考える. 吃音改善デバイスに関しては,予定していたLabVIEWが使用できなくなったためArduinoを用いたシステムへの変更を余儀なくされ,実測にまで到達できなかった.しかし電気式人工喉頭を用いた予備実験を行ったところ,予想通りの結果が得られたため,トータルでやや遅れていると評価した. 以上のことにより,全体としてはやや遅れていると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に関しては年度前半の研究体制が当初の計画よりも少人数となるため,音源形状および小型ポンプに関しては計画を縮小または一部保留して実施する.令和5年度後半より体制が拡充されるので,そこからは計画に沿って研究を進める予定である.その他の項目の研究推進方策を以下に述べる. 人工喉頭制御システム:すでにArduino R4 Minimaを用いた制御用信号の生成に目処が立っているため,それを基に制御用プログラムの完成を目指す.R4の処理速度は高速であるため,計画していたRaspberry Piへの移行は一旦保留とし,R4を用いた制御精度の向上を目指した信号処理の改良を進める.これらと平行して,試作制御ユニットを用いた制御実験や,それに用いる電極および電気喉頭固定用のジグに関する研究も進める予定である. 発声補助用小型ポンプ:真空エジェクタを応用したポンプ形状の有効性が確認されたため,設計変更および有限要素シミュレーションを行って性能向上を目指す.ある程度の性能向上が確認された段階で試作および評価を行う. 食道発声法支援デバイス:Arduino/Myowareによる筋電位信号の記録に目処が立ったため,小型化およびユニット化を進め,簡単に計測できるデバイスの作製を目指す.デバイスが作製された段階で全国の喉適者団体に持ち込み,実際に測定しデータの収集を進める予定である. 吃音改善デバイス:ArduinoとMyowareを用いた測定システムを用いて,吃音者の筋電位測定を行う予定である.測定箇所としては,横隔膜,顎舌骨筋,胸骨舌骨筋などの発声に関わる筋とし,吃音と筋電位信号の関係についての知見を得ることを目的とする.
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