科学的世界観における複眼的な〈規範〉理解:セラーズ右派とセラーズ左派のあいだで
Project/Area Number |
23K11995
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
白川 晋太郎 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 講師 (30849302)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 推論主義 / 理由の空間 / セラーズ / ブランダム / 規範 / 教育 / 道徳教育 / 規範性 / 自然主義 / 反自然主義 |
Outline of Research at the Start |
法律や道徳などの〈規範〉は社会を根底から支え、人間は規範に従い束縛される〈規範的な存在〉である。〈規範〉は社会や人間の中核部分にあるにもかかわらず、あらゆる事象は物理現象として解明できるという〈自然科学的な世界観〉の中で整合的に理解することは容易ではない。 本研究では「セラーズ右派」と「セラーズ左派」と呼ばれる規範に関する二つの対立的なアプローチを発展的に統一することで、複眼的かつ包括的な規範理解に至ることを目指す。これは社会や人間の自己理解に重層性をもたらすとともに、社会規範を主要な研究対象として含む社会科学全般の方法論にも大きな影響を与えうる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、規範性概念を重層的に理解するために「理由の空間」を内と外から分析し、内と外の連続性を明らかにすることを目的としている。 2023年度は「理由の空間」に諸区分を設けることで内と外という観点に実質的な内容を与えるとともに、教育学者から助言を得ながら数学教育や道徳教育など教育現場に着目することで、人が理由の空間の外から内に移行する様を分析した。 以上の成果は「最近のプラグマティストの〈主観的な客観性〉」(『哲学』74, 日本哲学会)、「道徳教育論と推論主義」(『科学基礎論研究』51, 科学基礎論学会)、「Real and illusionary difficulties in conceptual learning in mathematics: comparison between constructivist and inferentialist perspectives」(Mathematics Education Research Journal 35)、「推論主義と承認欲求をめぐる往復書簡」(『宮崎公立大学人文学部紀要』31)として刊行され、2023年6月の科学基礎論学会では「道徳教育論と推論主義」(シンポジウム「教育学基礎論としての推論主義の視座」)と題して発表された。 2024年5月に開催される日本哲学会大会の公募ワークショップ「ブランダム『信頼の精神』と推論主義の可能性――ヘーゲル主義としての推論主義とその拡張」では上記の成果を発展させたものを、同じく5月に開催される応用哲学会の公募ワークショップ「「ひと」と「e-ひと(e-person)」はWEを築けるか」では工学的な応用の可能性を検討することになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
「理由の空間」の内と外の連続性を明らかにするという本研究の中心的な課題に関して、理由の空間に諸区分を設けるとともに教育学の知見を活用することで大きな進展が見られ、4つの刊行論文と1件の学会シンポジウム発表として公開できたのは顕著な成果といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
上記のように本研究は大変順調に進んでおり、これまで同様に他分野の研究者との積極的に交流しつつ研究を進めることで、同様の成果を挙げることができると考えている。 2024年5月の日本哲学会と応用哲学会ではこれまでの成果を発展させたものを発表予定で、批判的検討や議論を重ねることで理論的ブラッシュアップを図る。 また、理由の空間の内と外の連続性に関するセラーズ的なアプローチを検討するために、セラーズ主義の立場から自然主義的な推論主義を構築するペレグリンの近著(Peregrin, J. (2023). Normative Species: How Naturalized Inferentialism Explains Us. Taylor & Francis.)を詳細に検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)