Research Project
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
15世紀末のフィレンツェにおける宗教的メンタリティーを広く検討し、終末論のインパクトを評価することを目的とする。聖年1500年にいたる世紀末の10年間は終末論的思想が大きな広がりをみせ、「最後の審判」における救済への熱望がひときわ高まった時期である。終末論的思潮は市民に広く共有されたが、どのようなかたちでイメージ化され受容されていくか、芸術家たちの表現の背後にある思想・精神風土はいかなるものだったかを、サンドロ・ボッティチェッリをはじめとする芸術家の作品ならびに同時代の宗教著作の挿絵を検討することで探る。