Project/Area Number |
23K12081
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
開 信介 三重大学, 人文学部, リサーチアソシエイト (80881185)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2027: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 探偵小説 / 1930年代 / 『新青年』 / 『猟奇』 / 『ぷろふいる』 / 日本近代文学 / 幻想文学 / 合理/非合理言説 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、1930年代日本探偵小説と同時代の合理/非合理をめぐる言説状況の共振の様相を具体的に解明することを目的とする。1930年代の探偵小説文壇では、本格・変格論争ならびに探偵小説芸術論争と呼ばれる、探偵小説のジャンル規定をめぐる一連の論争が行われた。これらの論争は同時代の一般文壇・論壇において先鋭化していた合理/非合理をめぐる言説状況と共振していたと考えられる。本研究では、関連する新聞・雑誌・書籍の網羅的な調査を行うことで、探偵小説論争と同時代言説との共振の様相を実証的にあとづけ、その成果をもとに作品分析を行うことで、1930年代日本探偵小説を日本近現代文学史・思想史において定位する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い、まず1930年代の探偵小説論争関連文献の蒐集・調査を進めた。当時の主要な探偵小説雑誌である『新青年』(1920~1950)、『猟奇』(1928~1932)、『ぷろふいる』(1933~1937)などが主な対象である。 『猟奇』ならびに『ぷろふいる』については、それぞれ復刻版を購入し、調査を行った。『新青年』については、かつて復刻版が発刊されているが、現在、大部分が入手困難である。そのため、復刻版を所蔵している図書館に赴き、閲読ならびに関連箇所の複写作業を行った。 『新青年』は欧米探偵小説の翻訳紹介だけではなく、江戸川乱歩をはじめとした和製探偵小説作家輩出にも大きな役割を果たした。また探偵小説雑誌の中では相当に広く流通したものであり、発刊期間も長く、影響力が強い。本研究は1930年代を対象としているが、同誌はその位置づけからして、1930年代以前・以後の探偵小説界の推移を視野に収める上でも好適の資料である。そのため、上記の閲読・複写作業においては、1926(大正15・昭和1)年から1941(昭和16)まで、ならびに1946(昭和21)~1950(昭和25)年までのすべてに目を通し、必要な箇所の複写作業を行った。とくに探偵小説作者による活発な発言が見られるコラム「マイクロフオン」や様々な探偵小説選評、編集後記などを実見することができたのは、大きな収穫である。 一連の調査を通じ、従来知られているよりも遥かに多く、当時の実作者・読者による探偵小説をめぐる発言・議論を確認できたことが初年度の実績である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『新青年』を中心に、入手困難であった当時の探偵小説論争関連文献を多く閲読・蒐集することができたことが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
蒐集した資料の整理・分析を進めるとともに、『探偵』(1931)、『探偵小説』(1931~1932)、『探偵クラブ』(1932~1933)、『探偵文学・シュピオ』(1935~1938)、『探偵春秋』(1936~1937)など、1930年代に発刊されていた他の探偵小説雑誌の調査を進める。『新青年』についても、未調査の大正期(1920~1925)分ならびにアジア・太平洋戦争戦時下分(1942~1945)について、必要に応じ、調査を行いたい。 また、当時の一般文壇・論壇における合理・非合理をめぐる言説についても目配りしていく予定である。
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