Project/Area Number |
23K12090
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02010:Japanese literature-related
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Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
高橋 秀子 十文字学園女子大学, 教育人文学部, 講師 (90915521)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2027: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | 藤原元真 / 河原院周辺歌人 / 紀貫之 / 和歌史 / 和歌 / 日本古典文学 |
Outline of Research at the Start |
河原院周辺歌人の詠歌活動に関する研究は、彼らが新しい表現を開拓したことを指摘したところで留まっている。河原院周辺歌人は、表現を開拓していただけではなく、前時代の歌人への憧憬も抱いてもいた。また、彼らは初期定数歌や『うつほ物語』との関連が認められているが、彼らの和歌史的な意味は明らかにされていない。 本研究は、河原院周辺歌人が古今集時代の和歌表現や常套的な和歌表現をどのように享受して用いているのか、後世の勅撰集に彼らのどのような歌が採られているのか、ということを多角的に分析し、河原院周辺歌人が和歌史において持つ意味を明らかにする。これにより、平安中期の和歌史の要素が新たに見えてくると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
藤原元真と河原院周辺歌人の関連について、見解を発表した。具体的には、「藤原元真の詠歌環境の考察――河原院周辺歌人との関連の可能性――」(『平安朝文学研究』復刊第32号、2024年3月)である。元真の和歌表現について、紀貫之や河原院周辺歌人の詠歌との共通点があることを3つの観点から指摘し、彼が河原院周辺歌人と関わっていた可能性があるという見解を示した。同時に、「河原院周辺歌人」という語の見直しも提言した。この発表は、同誌を発行する平安朝文学研究会から、「波頭」という原稿用紙9枚分の寄稿依頼を頂いたことによって発表するに至った。依頼された原稿の分量に見合うものとしてこの内容がよいと考えられたので、予定通り、1年目においてこの内容の研究成果を出すことができた。 今回の原稿は、両者の関連を考えるスタート地点を示したにすぎないと言える。今後は、これをもとに、元真の和歌表現や歌風について、河原院周辺歌人との相対的な比較の観点のみならず、正面から捉えた、確立した元真論を目指していくべきだと考える。当初の研究予定では、その考察も1年目で行う予定であったが、そのような一歩先まで深める考察には至れなかった。ただ、今回の原稿を発表できたことにより、今後の課題として有益な助言を頂いている。その中で、原稿の中で自身が提示した「河原院周辺歌人」という用語の見直しについては、推奨する意見も得ており、課題解決の必要性を実感できた。よって、スタート地点と言える規模の原稿ではあるが、発表できたことに手応えを感じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究に必要な時間を、思うように確保できなかったことが、遅延の理由であると考える。 2023年度は、現在の勤務先に着任した年であり、また、初めて専任として務める年であった。よって、授業準備をはじめ、学内業務など、慣れないことが多く、それらに時間を多く要した。また、出版準備にも時間を割いた。これらにより、研究活動は、学会に参加することと、依頼原稿を作成すること以外は、ほとんどできず、自身の研究を進める時間のに必要な時間を十分に得られなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、現在の勤務先に着任して2年目であるため、少し慣れが生じて、自分の研究に費やす時間を確保できるようになると考える。一方で、今年度2024年度から新たに担当する授業や業務があるので、そちらに慣れるために時間を割くことがあることから、授業期間内は、研究のための時間は多くは確保できないと推測する。しかし、長期休暇などには、昨年度よりも多く時間を得られると思うので、そこでしっかりと研究を進める。 まずは、1年目に達成できなかった論文作成と、藤原元真の歌風の研究を進めたい。同時に、2年目の研究予定として挙げていたことである、「河原院周辺歌人」の常套的な和歌表現を見出すことと、『拾遺和歌集』以下の勅撰和歌集に採られている河原院周辺歌人の和歌を分析し、彼らに対する評価や印象を明らかにすることにも着手する。また、「研究実績の概要」も示した「河原院周辺歌人」という用語の見直しも、同時進行で行う。
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