Project/Area Number |
23K12115
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02020:Chinese literature-related
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Research Institution | Shigakukan University |
Principal Investigator |
西川 ゆみ 志學館大学, 人間関係学部, 講師 (70849083)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2026: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 江淹 / 悼亡 / 左遷 / 楚辞 / 宋玉 / 神女 / 屈原 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、江淹賦における屈原宋玉文学の受容の様相を明らかにすることを目的とする。江淹賦が、屈原宋玉文学を受容した表現により、主君への心情のほか、妻子への愛情、故郷と左遷先の空間をも描き出していることを明らかにし、左遷による苦悩とのみ理解されてきた先行の解釈を再検証する。そのうえで江淹賦における宋玉文学の位置、屈原宋玉文学の受容から見た代表作「恨賦」「別賦」の独自性について指摘する。さらに、江淹賦作品の訳注を作成する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、研究実施計画のうち、女性を題材とする賦作品と江淹の妻との関わりについて考察を行った。具体的実績としては、六朝学術学会での口頭発表と、中国の学会への口頭発表用の論文投稿(審査により落選)を行った。 神女を主題とする「水上神女賦」と「麗色賦」は、従来江淹の主君劉景素への心情(忠誠心及び左遷に対する不満)を詠うと解釈されてきたが、妻を詠う他の詩作品との類似性、江淹作品における神女描写の整合性とを勘案した結果、江淹の妻を主題とした作品と解しえると考えた。上記の考察結果に基づき、「水上神女賦」及び「麗色賦」を、悼亡作品として解しうる可能性について、六朝学術学会にて、口頭発表を行った。(「江淹詩賦における悼亡と神女との関わりについて」、単独、東京大学(発表者は悪天候によりオンライン発表)、2023年9月9日)学会にて、作品を絞って考察すべきとの指摘を受け、妻との関わりがより明確に見られる「水上神女賦」についての分析を進め、考察結果をまとめている途上であり、2024年8月に論文を投稿する予定である。 女性を題材とする江淹賦(「水上神女賦」「麗色賦」「倡婦自悲賦」)について、中国においてはこれらをひとまとめにし、主君への忠誠を詠うと一般的に解されてきた。しかし、作品の主体の視点、及び作品内の表現と従来の解釈との矛盾とを分析することで、「倡婦自悲賦」が忠誠心を主とするが、二作品は忠誠心を主と解することはできないと考えた。(六朝学術学会での発表とは、異なる比較対象を取り上げて、左遷を主とするかを考察するため、別内容である。)上記の考察結果について、中国語にて論文作成し、国際辞賦学学術研討会に投稿した。しかし発表希望者過多のため、急遽審査が実施され、落選したため、口頭発表の機会は得られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は江淹の妻及び息子と屈原宋玉作品との関係性、および左遷前夜の作品を考察する予定であったが、妻との関りについての考察しかできなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
江淹の妻への思いについて考察するうえで、左遷期の江淹の心情を早急に考察する必要性が浮上した。そのため、息子についての考察、および左遷前夜の作品の分析は一旦差し控え、左遷地やそこでの心情が、どのように描かれているか、さらに屈原宋玉文学との関わりを考察することを優先することとする。また、江淹だけでなく、六朝期の左遷という事象について、他の詩人がどのように作品に描き出しているのかについて考察し、江淹の独自性を提示できるように努める。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)