Project/Area Number |
23K12134
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02040:European literature-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
高田 梓 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 助教 (00903535)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 世代 / 記憶 / 再統一後の文学 / ネオナチ / 右傾化 / 現代ドイツ語圏文学 / ナチズム |
Outline of Research at the Start |
本研究は、再統一後に文壇に登場した85年世代以降の作家たちの文学テクストを対象に、ナチズムの記憶がいかに継承され、その表象はいかに前世代のそれと異なるかを検討するものである。ナチズムの過去は、戦後ドイツ語圏文学の不可避的主題であるなかで、本研究は47年グループや68年世代の作家らによるテクストとの比較により、これまで注目されてこなかった85年世代以降の文学テクストにおけるナチズムの表象の特異性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、主に再統一後のドイツ文壇に登場した85年世代の作家による文学テクストを対象に、ナチズムの記憶の継承とその脱却という二面性に着目しながら、文学と社会の相互関係を改めて明らかにするものである。 当初は計4年間の計画で研究課題を進める予定であったが、初年度にあたる2023年度に産休を取得したため、一年間の研究期間延長を申請した。それゆえ、2023年度は主だった研究活動は見られないが、限られた時間のなかで、日本国内での関連する研究会に参加し、最新のドイツ語圏文学に対する知見を得た他、対象となる作品の読解と考察を進めた。具体的には、第二次世界大戦への直接的な記憶を持たない85年世代の文学テクスト、とりわけ自己を創作の題材とするオートフィクションの文学テクストにおける、ナチズムの記憶の所在を分析した。これに関しては、2024年8月に中国・青島で開催される国際学会アジア・ゲルマニスト会議において、「オートフィクションとアイデンティティの探求―クリスティアン・クラハトの<自伝的>小説:『ファーザーラント』と『ユーロトラッシュ』」(Autofiktion und Identitaetssuche: Christian Krachts "autobiographische" Romane Faserland und Eurotrash)のタイトルで研究発表を予定している。既に発表の申請も受理され、研究発表に向けて準備を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上述したように、2023年度は産休取得により研究活動を中断したため、当初予定していたドイツでの資料調査、また学会での研究発表などは延期となった。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を一年後ろ倒しするかたちで進めていくが、2024年度は国内で入手できる文献を対象に、研究を進めていく予定である。主には、ドイツの作家マクシム・ビラー(Maxim Biller, 1960-)の小説テクストを対象に、ユダヤ系作家によるナチズムの記憶の継承/脱却に関して考察していく。2025年度以降は、ドイツでの資料調査を再開し、短い滞在日数のなかで、研究に必要な文献を入手する予定である。具体的には、シュトゥットガルト近郊のマールバッハ文学アーカイブで制限付きで保管されている、ビラーとユダヤ系文芸批評家ライヒ=ラニツキの往復書簡などを調査しながら、研究を進める。
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