Literary Translation as Re-Creation: Kazuko Fujimoto's efforts in transcreation
Project/Area Number |
23K12147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02050:Literature in general-related
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
邵 丹 東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 講師 (80884460)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 創造的な翻訳 / 世界文学 / 女性文学 / フェミニスト翻訳 / 翻訳文学 / 多文化共生 / 多言語主義 / 文学研究 / 藤本和子 / ジェンダー / 間テクスト性 |
Outline of Research at the Start |
近年、翻訳をその内部にあらかじめ組み入れる文学を世界文学として定義づけるいくつかの動きが見受けられる。本研究は戦後日本における藤本和子を中心とする聞書の系譜を通時的に適切かつ脱中心的なやり方で探求し、「さわやかな欠如」から始まる新しい詩的言語の創出の試み、および、その過程で創造的翻訳が果たす役割を明らかにする。本研究では、戦後日本を三つの時期に区分して、「サークル村」を原点とする聞書の系譜とは何か、藤本和子に代表される「運動の翻訳」とは何か、「塩食い会」の翻訳実践とは何か、といった設問に答え、交差性の視点から文学の翻訳や創作の実践における「女たちの同時代」の共通文脈を探り出すことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度においてまず下記の研究発表を行いました。まず、5月20日に、関東学院大学の横浜・関内キャンパスで行われた日本英文学会第95回大会の特別シンポジウム「翻訳から生まれる文学研究 英語文学を超えて」にて英語による発表を行いました。タイトルはAt the Crossroads of Languages: Encountering Yoko Tawada and playing with words in Chineseです。 そして、8月19日に、ゲント大学日本研究所主催のヨーロッパ日本研究協会(EAJS)の第17回国際会議(the 17th International Conference of the European Association for Japanese Studies)にてLiterary Translation as Re-creation in Postwar Japan: Feminist Agency and Intertextuality in Representative Works by Contemporary North American Black Women Writers, 1981-1982 というタイトルで英語による発表を行いました。 次に、11月3日に東京外国語大学の多摩キャンパスで開催される東アジア日本研究者協議会国際学術大会(第7回)にて多和田葉子と李琴峰と鼎談を行いました。 最後に、2024年3月24日に、札幌大谷大学で行われた日本比較文学会北海道大会で招待講演「翻訳について考えるときに私たちの考えること」を行いました。 加えて『群像』5月号にエッセイ「エクソフォニー人間は何語の夢を見るか?」を寄稿しました。『群像』7月号特集「『論』の遠近法」に村上春樹『街とその不確かな壁』長編書評「我が唯一つの望みに」を寄稿しました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は予定通り、文献の収集、整理および分析の作業を行いました。 その上、「研究実績の概要」で記されているように、日本国内そして海外の学術会議で積極的に発信してきました。 論文執筆の側面からみれば、まだ刊行されていないため研究実績の概要に書いていませんが、2023年度は3本の英文論文:(1)Comparative Literature in Japan:The Challenge of Traversing Bordersを香港大学出版会(Hong Kong University Press)のアンソロジーに、(2)Literary Translation as Re-creation in Postwar Japan: Feminist Agency and Intertextuality in Representative Works by Contemporary North American Black Women Writers, 1981-1982をRoutledge Handbook of East Asian Translationに、(3) Migrating Kanji/Chinese Characters:Untranslatability and the Performance of Literary Translation in Yoko Tawada’s Hikon (1998)をThe 4th East Asian Translation Studies Conference (EATS4)の論文集に、それぞれ投稿しました。査読(ピアレビュー)の結果はすべて合格で、近い将来刊行される見込みです。 さらに、2023年の11月に松柏社の担当編集者の同伴で「北米黒人女性作家選ー女たちの同時代」というシリーズの翻訳者の一人にインタビューを行いました。
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Strategy for Future Research Activity |
去年1年の蓄積(文献の収集・整理および分析、インタビューや聞き書きによる一次資料の収集および整理、さらに日本国内や国際学会での発表で得られたフィードバック)に基づき、2024年度は実際の執筆作業に入る予定です。ここで言う執筆作業は、論文ではなく、書籍の形で構想されています。2023年度、すでに書籍の目次(アウトライン)たるものを作成し、松柏社の担当編集者と共有しました。今年は、学会での発表の頻度を少し減らし、書籍の執筆作業に専念する予定です。 そのため、どこでも(たとえ学会発表で研究室を離れているときでも)執筆が可能な状態、あるいは、そのような環境を整えるために、執筆専用のノートパソコンを購入する予定です。 入手できた一次資料、つまり、インタビューで得られた貴重な情報をもとに本の各章を書き、出来上がり次第、その内容について学会で発表を行い、フィードバックをもらうつもりです。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)