A study of nominal phrase structure in Russian: with a focus on event nominals
Project/Area Number |
23K12155
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮内 拓也 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (50781217)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 名詞句 / 出来事名詞 / 項構造 / 所有形容詞 / 形容詞と名詞の連続性 / ロシア語 / 統語論 / NP / DP |
Outline of Research at the Start |
冠詞のない言語の名詞句の統語構造については,その主要部が名詞N(oun)であるのか,限定詞D(eterminer)であるのか,見解が分かれている.本研究課題は,冠詞を持たないロシア語を対象に,特に出来事名詞に注目した上で,この問題に解答を与えることを目的とする. 具体的には,出来事名詞の項構造を記述したデータベースを構築し,それをもとに項構造を予測できる出来事名詞の統語構造を提案した上で,出来事名詞句内部で起こる諸現象(束縛現象や量化詞の作用域)を適切に予測できるかを精査する.さらに,その統語構造がロシア語名詞句一般に拡張できるかを検討していく.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,冠詞を持たないロシア語を対象に,特に出来事名詞に着目した上で,名詞句の統語構造を明らかにすることを目的としている. これまでの研究では属格名詞句が項として出来事名詞に後続する場合を中心として研究を進めてきており,項構造の記述についても属格名詞句が後続する場合にについて扱ったものであった.今年度は主に出来事名詞の項構造の記述の対象をより広げ,出来事名詞に先行する項となり得ると考えられる所有形容詞についても記述,検討を行った. 出来事名詞の項となり得る点で所有形容詞は他の形容詞と性質を異にすると考えられるが,所有形容詞と他の形容詞の違いは他にも (形態法や固有の性の有無,指示性の有無,程度副詞による修飾の可否など) 見られることから,所有形容詞と他の形容詞の同異についてより正確な形での記述を試みた.その結果,所有形容詞は1部で形容詞的に振る舞い,1部で名詞的に振る舞うことから名詞と形容詞の中間的存在である言え,いくつかのパラメータを用いることで性質形容詞,関係形容詞,所有形容詞,名詞が連続性を有していることが明らかとなった.これは本研究課題の直接の課題ではないものの,直接的な課題である出来事名詞の項構造を記述する上で,また名詞句の構造を考える上で,重要な示唆が得られたと言える. 出来事名詞の項構造を記述したデータベースの構築については,記述のひな型を作成し,予定より遅れているもののこれまで得られたデータに関してその一部のデータベース構築作業を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は本研究課題の一環である出来事名詞の項構造の記述に関して,これまでよりも記述の対象を広げることで,重要な示唆を得ることができた.また,その記述の結果を,本研究課題開始前には予期していなかった副次的なテーマとして発展させることができた.そういった意味では研究については進展があったといえる. しかし,一方で項構造のデータベースの構築については,作業補助者の選定などが困難であったことなどもあり,予定より遅れている. とはいえ,総合的に見れば本研究課題はおおむね順調に進展していると言えよう.
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Strategy for Future Research Activity |
以降は可及的速やかにデータベース構築作業の補助者を探し,データベース構築の作業を本格化させたい.しかし,2024年度から研究代表者が研究機関を異動したことに伴いさらにデータベース構築の適任者の選定が困難になる可能性が浮上している.この場合,データベースの規模を縮小し,理論研究に集中することで対応する. また,次年度以降は今年度得られた本研究課題開始前には予期していなかった副次的なテーマについてもより細部の検討を加え,発展させていく予定である.これは本研究の推進にあたり重要な意味を持つと考えられる.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)