Project/Area Number |
23K12163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大嶋 広美 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (10781239)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 客家方言 / マレーシア / 社会言語学 / 音声 / 音韻 / 言語接触 / ポリグロシア / 教会 |
Outline of Research at the Start |
現在マレーシア客家方言の研究は、マレーシア各地の客家方言の音韻体系と語彙調査の結果だけにとどまる傾向がある。マレーシアは多言語社会であり、客家人も他の漢語方言話者と同様、複数の言語を操る。本研究は、マレーシアの客家人の言語使用状況および世代による言葉の変化を、フィールドワークおよび文献を通して考察し、客家方言の言語変異を明らかにすることである。調査では、客家人の定住の歴史と言語環境の影響を考えながら、マレーシア客家方言の変化とその消失の原因、中国各地出身の客家方言話者の共通言語について考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マレーシア各地の客家方言の音韻体系と使用語彙を明らかにするだけでなく、客家人の言語使用状況と世代による客家方言の言葉の変化を明らかにすることである。初年度の2023年度は、8月から9月にかけてマレーシア東部と西部に渡航し、マレーシア客家方言、マレーシア客家人の移民史に関する資料を現地で収集した。さらに、マレーシア東部のボルネオ島とマレーシア西部のクアランループに住む客家人の客家方言の初歩調査を実施した。資料収集とマレーシア客家方言の基礎語彙と音韻体系の整理などの基本的な作業はほぼ完了した。これらの作業の過程で、二世代による客家方言の語彙と発音の違いを記録することができた。 現在使われている客家方言がどのように変化してきたのかを理解するためには、過去の客家方言の資料が重要である。今回の資料収集の結果、わずか数種の客家方言の資料が存在することがわかった。そのうちの一つ、20世紀中期に出版された『Hakka Lessons』というマレーシア西部の客家方言の教科書に記載されている客家方言と、その教科書の成書過程に関する研究を行った。この教科書の客家方言の会話文の内容が特殊であることから、この教科書が出版された当時の歴史的背景を調べた。出版時期はマレーシアがまだイギリス連邦内にあったことから、その当時の資料をマレーシア政府内のアーカイブで調査し、『Hakka Lessons』の成書過程を検証した。その成果を2024年3月に漢語方言研究会(京都外国語大学、オンライン)で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は初めて現地調査を実施し、現地のマレーシアの客家人の協力を得て客家方言の調査を実施することができた。今後も彼らからの協力を得ながら調査を継続することが可能になった。進捗状況は現在、主に資料収集及び資料研究が中心であるが、現地でのマレーシア客家方言の調査によって得られた基礎語彙と漢字音のデータにより、中国広東省の客家方言との違いを発見し、新たな知見を得ることができたのも成果の一つである。したがって、研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、マレーシアでの客家方言の資料収集と言語調査を予定している。2023年度に発表したマレーシアの客家方言の教科書『Hakka Lessons』の客家方言の他に、他の客家方言の資料に記載されている客家方言の音韻体系の整理も取り組む。以前から継続している現地の客家関係団体と情報提供者(インフォーマント)との連絡を今後も維持しながら、まだ調査をしていない客家方言の現地調査を計画している。
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