Project/Area Number |
23K12167
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
|
Research Institution | Meio University |
Principal Investigator |
麻生 玲子 名桜大学, 国際学部, 准教授 (20810667)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 琉球諸語 / メタ研究 / 言語資料収集 / 言語資料蓄積 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、琉球諸語の語彙研究を例に、日本の消滅危機言語の調査方法に関する研究(メタ研究)を実施するものである。日本を含み世界では多くの言語が消滅の危機に瀕しているため、消滅危機言語の記録・蓄積は急を要する。一方で、言語資料収集の必要性・緊急性は学界全体で認識されてはいるものの、近年まで調査手法の効率性や改善についてはほとんど考慮されてこなかったという背景がある。本研究では、先行研究で提案されている、研究者と話者を含む地元コミュニティメンバーが協働して実施する「ハイブリッド遠隔型」の調査方法の効果を、語彙研究の側面から定量化および評価・考察し、結果をもとにさらなる改善案を提案する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、琉球諸語の語彙研究を例に、日本の消滅危機言語の調査方法に関する研究(メタ研究)を実施するものである。日本を含み世界では多くの言語が消滅の危機に瀕しているため、消滅危機言語の記録・蓄積は急を要する。一方で、言語資料収集の必要性・緊急性は学界全体で認識されてはいるものの、近年まで調査手法の効率性や改善についてはほとんど考慮されてこなかったという背景がある。本研究では、先行研究で提案されている、研究者と話者を含む地元コミュニティメンバーが協働して実施する「ハイブリッド遠隔型」の調査方法の効果を、語彙研究の側面から定量化および評価・考察し、結果をもとにさらなる改善案を提案する。
本研究は4年計画で実施する予定である。2023年度は1年目に当たる。2023年度は、地域特徴を見るために琉球諸語のうち、北琉球から沖縄語(名護宮里、名護羽地、大宜味田嘉里、本部渡久地)南琉球から八重山語(波照間、西表網取)を調査対象地として選定し、ハイブリッド遠隔型の語彙収集を試みた。具体的には、①各地点で原稿作成作業を実施し、②原稿を書き起こし(清書)、③清書原稿を元にした録音を実施し、④録音音声にIDのタグ付け・録音音声と原稿のチェックを実施した。その結果、各地点で600から1000語程度の語彙が収集できた。沖縄語の各調査地点に関しては、出身地が近ければ20代の若者でも聞き取り及び書き起こしが可能であり、研究者がかかわる段階はチェック段階からになるという結果になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進展していると考えられる。理由は次の2点である。1点目は、沖縄語の地点選定に関して、複数地点で協力が得られた点である。話者の方々のみならず、コミュニティメンバー、あるいは調査自体に興味のある方々から協力が得られ、調査が順調に進んだ。2点目は、北琉球語に比べ、南琉球語の書き起こしに関してはコミュニティメンバーでは困難であるという仮説に対して、検証を一部実施できた点である。代表者が2023年度に執筆した論文では南琉球八重山語波照間方言の音声と音素について扱った。当該論文にて書き起こしの難しさの一端を記すことができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
2024年度に実施するのは次の3点である。 ①沖縄語(本島北部方言)の調査を引き続き実施する。2023年度はおおむね順調に進展したと言えるが、一方で、沖縄語(特に本島北部方言)のアクセント体系の記述は未着手な地点が多いため、新規地点での語彙の書き起こしの際には、研究者あるいはトレーニングを受けたメンバーが積極的にかかわる必要がある。今後は、どのタイミングでどのように参加するか検討していく必要がある。 ②奄美語・宮古語のいずれかの地点でハイブリッド遠隔型調査を実施する。 ③語彙収集のみならず例文の収集に関しても研究に組み込む。研究協力者と協働で実施する予定である。
|