Cultural representation in Foreign Language Textbooks: A diachronic perspective on Japanese Language Textbooks Published in Japan and Abroad
Project/Area Number |
23K12210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
GRIB Dina 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (50869758)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
|
Keywords | 教科書分析 / 内容分析 / 外国語教育 / 文化表象 |
Outline of Research at the Start |
外国語教育における教科書が特別な権威を持っていること、文法や語彙等の学習項目にとどまらず、目的言語の国や文化に関する知識源になっていることは、先行研究に指摘されてきた。そこで、本研究では、日本国外で刊行された日本語教科書およびオンライン日本語教材の内容分析を通じて、ソフトパワー戦略の前後における文化表象の変遷および異文化コミュニケーション能力の育成への取り組みについて論じる。必然的に教材に含まれ、無意識のうちにイメージ形成に繋がる文化の描写について解明することによって、ステレオタイプ形成の原状回復への貢献を目指す。また、英語教育学の方法論を日本語教育学の研究に適応し、理論的枠組みを構築する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、日本語教科書とオンライン教材を主たる研究対象とし、外国語教科書における文化表象の変遷および異文化コミュニケーション能力の育成への取り組みについて解明することを目的としております。研究目的の達成に向けて、2023年度中は主に下記の二側面から取り掛かっております。 ①モバイル支援型言語学習(MALL)において存在感を発揮している、「スマートフォンやタブレット端末の基本ソフト(OS)上で動作するプログラム」(萱,2013)即ち、日本語学習アプリの調査を実施いたしました。特に、インターアクション能力育成における日本語学習アプリケーションの機能分析のフレームワークを提示することを目的として、12点のアプリの質的分析を実施いたしました。分析結果に基づいて、学習内容と学習形態において顕著なパターンが見いだせられたため、学習項目における文脈提示の有無、即ち「学習内容」及び双方向性の有無、即ち「学習形態」を軸とした分析フレームワークを提案することに至りました。ただし、今後の課題として、量的研究を踏まえ本枠組みの有用性を確認することが必要であることも指摘いたしました。 ②日本国内で出版された初級レベルの日本語教科書における文化的ダイバーシティに対するケーススタディーを実施いたしました。2009年以降出版され、主な登場人物の図の提示がある初級日本語教科書13冊を対象として、登場人物の関係図に収録されている情報の分析を試みました。教科書間でもそれぞれの教科書内でも、登場人物の多様化への配慮がなされていることが明確になりました。ただし、登場人物の多様化は殆ど出身国と積極的な女性参画にとどまっていると思われ、多様な個性、多様なニーズへの対応については、課題が残っていることも解明できました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では、ロシア国内で出版された日本語教科に焦点を当て、日本国内で出版されたものおよびデジタル日本語学習リソースと比較しながら、日本語教科書における文化表彰の通時的研究を行っております。特に、ソ連時代などロシア国内で出版された教科書や関連資料については、令和5年中にロシア国内(モスクワ市、サンクトペテルブルク市)まで出張し、入手することを予定しておりました。ロシア国内および国際情勢の都合上、クレジットカードが利用制限ならびに航空券の値上げにつき、一部資料の入手が実現に至らず、それにかかる調査が遅れております。令和6年度中に出張実現もしくは資料の取寄せについて検討中であります。 なお、研究企画の一部に遅れが出た対応策として、より遅い時期に予定していた日本語のデジタル教材の調査を先倒しに進めております。比較対象とする日本国内の日本語教科書および日本語学習モバイル・アプリケーションの分析は順調に進んでおり、成果発表も学会発表や研究論文にまとめております。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、次の3つの研究課題に取り組む予定である。 ①日本国外の一例として、ロシア語圏で出版された日本語教科書において、日本文化・日本社会・日本の政治体制がそのように表象され、教科書利用者におけるステレオタイプ形成に寄与する可能性があるか。また日本国内で刊行された教科書、英語圏で刊行された日本語教科書と、どのような類似点および相違点があるか。⇒ 本段階では、分析対象の教科書の入手し、吉岡編(2008)の方法に従い分類分析(レベル、対象者、学習目的、シラバス、自習の可否等)を行ったうえで、内容分析の手法を採用する。 ②行研究では外国語教科書における伝統文化への偏りが指摘されている(Ideno, 2011; Kumagai,2014)が、ポピュラーカルチャーに係るスティグマの解除とも称される「ソフトパワー戦略」の発動前後に伝統文化とポップカルチャー・サブカルチャーの表象、力バランスが如何に変遷したか。時勢の動きに敏感なデジタル教材およびオンライン教材を中心に、新型コロナウイルスの世界的流行が日本語教材の文化コンテンツに以下の変化をもたらしたか。さらに、ウクライナ危機の影響で、日本語教育を含むロシア国内の外国語教育に注目が寄せられる中、2022 年以降出版される教科書、公開されるオンライン学習リソースにおける文化コンテンツ、日本事情、日本人の描写が如何に変遷していくか。⇒ ①の研究課題と同時進行で分析を進める。研究方法も同様に内容分析を主たる方法とする。調査対象の教材群の分析が完成次第に、研究成果の発表の準備を進める。 ③教科書利用者が文化表象およびステレオタイプをどのようにとらえているか。⇒ 教科書の内容分析の結果を踏まえ利用者である学習者および教育者に対するアンケート調査およびインタビュー調査を企画し、実施する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)