Project/Area Number |
23K12218
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02090:Japanese language education-related
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渡 寛法 日本大学, 文理学部, 准教授 (20732960)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | アカデミック・ライティング / 学習態度 / 文章評価活動 / 自己調整学習 / ルーブリック |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、大学アカデミック・ライティング教育における学習者の自律的な学習態度と文章評価メカニズムの関係解明である。学習者のライティング能力育成においては、自己効力感など自律的な学習態度の重要性が指摘され、また近年では、ルーブリックを用いた文章評価活動や相互評価による協働学習の効果も検証されている。しかし、過大評価や過小評価の問題など、学習者の文章評価メカニズムには解明の余地が残されている。本研究では、大学生の文章評価活動を対象に、ライティング・パフォーマンスと自律的な学習態度で学習者を類型化し、文章評価の特徴と傾向を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、本研究の目的である、ライティング教育における学習態度と文章評価メカニズムの解明に向けて、以下の2点の研究を行った。 (1)国内外の関連研究のレビューを行い、論点を整理した。ライティング・パフォーマンスを高めるうえで、文章技能や型の習得にとどまらず、自律的な学習態度の育成が重要であることが先行研究により検証されつつあることが分かった。一方これまでの研究では、学生は一群としてまとめられ、ライティング指導やピア活動の効果が検討されてきたため、学習態度による学習者の類型化など、タイプごとに、どのような特徴と傾向があるのかを明らかにする必要があることがわかった。 (2)自己効力感と文章評価に関する調査を行った。学生の文章評価、教員評価(パフォーマンス)、自己効力感にはどのような関係があるのかを検証するため、大学生を対象とした調査を行った。課題として、参加者は論証型レポートを作成し、15項目の評価シートを用いて自己評価を行った。教員評価と比較した結果、過大評価群と過小評価群に分かれ、教員評価の平均点は過小評価群の方が高かった。学習態度(自己効力感)に関して、自己評価と学習態度に相関が見られたが、教員評価と学習態度に相関は見られなかった。文章観についての課題文章をテキストマイニング(特徴語分析)した結果、過大・過小評価群ともほぼ同様であったが、過小評価群は文章表現の「正しさ」にこだわる傾向が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度に予定していた調査活動は、おおむね計画通りに進めることができた。大学学部生を対象としたアカデミック・ライティング授業において、学習態度(自己効力感)と文章パフォーマンスおよび、文章評価活動に関する調査を行い、アンケートや作成文章などのデータを得られた。一方、データの整理や分析に時間がかかり、また、先行研究の多くとは違う結果が出たため、その要因分析も必要であったため、学会発表や論文執筆は次年度に持ち越しとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、2023年度のデータ分析をもとに、学会発表と論文執筆を進める。大学ライティング教育を対象として、学習態度と文章評価活動の関係性を分析し、学習者のタイプごとに適切なフィードバックや指導のあり方を考察する。合わせて、学習態度として、自己効力感にとどまらず、より長期的な目標や計画をもった学習行動の土台となる「キャリア意識」の重要性も浮き彫りとなったため、キャリア意識と文章評価活動に関する調査も引き続き行う予定である。
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