Project/Area Number |
23K12255
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 02100:Foreign language education-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
金 佳 関西大学, 外国語学部, 准教授 (40909727)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 中国語分節音習得 / 音声学習モデル / 類似性仮説 / 第二言語音声・音韻習得理論 / 分節音習得 / 中国語音声習得 / 母音 / 子音 |
Outline of Research at the Start |
本研究では日本語を母語とする中国語学習者における中国語分節音の習得状況(研究①単母音習得、研究②清濁の区別にかかわる有気音と無気音の習得、研究③子音/l/と/r/の習得)を通して、音声の類似性に基づく「音声学習モデル(SLM)」及び「類似性仮説(SDRH)」をより厳密に検証する。それと同時に、応募者による日本語学習者を対象とした過去の研究成果と照らし合わせて「類似性」の定義の仕方を再議論する。そして、上記の研究成果を踏まえ、具体的な外国語教育指針への提言を行う。 最終的には、SLM・SDRHの理論検証ができるだけでなく、理論に基づいた外国語教育現場への還元及び隣接分野への波及効果も期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年、音声の類似性に基づく第二言語音声・音韻習得理論の「音声学習モデル(SLM)」及び「類似性仮説(SDRH)」を検証する研究が多く行われている。しかし、2つの理論には、類似性をどのように定義すべきなのか、学習者のパフォーマンスを正確に予測できるのかといった課題がまだ残っている。 本研究では日本語を母語とする中国語学習者における中国語分節音の習得状況(研究①単母音習得、研究②清濁の区別にかかわる有気音と無気音の習得、研究③子音/l/と/r/の習得)を通して、上記のSLM・SDRHをより厳密に検証する。それと同時に、日本語学習者を対象とした過去の研究成果と照らし合わせて「類似性」の定義の仕方を再議論する。そして、上記の研究成果を踏まえ、具体的な外国語教育指針への提言を行う。最終的には、SLM・SDRHの理論検証ができるだけでなく、理論に基づいた外国語教育現場への還元及び隣接分野への波及効果も期待される。 以上を踏まえ、本研究は次の2点を目的とする。目的(1):日本語を母語とする中国語学習者における中国語分節音(①単母音、②有気音と無気音、③/l/と/r/)の習得状況を通して、現在主流の第二言語の音声・音韻習得理論である「音声学習モデル(SLM)」及び「類似性仮説(SDRH)」をより厳密に検証すると共に、類似性の概念を再確認する。 目的(2):上記の研究成果に基づき、具体的な外国語教育指針への提言に寄与し、外国語教育、特に日本語母語話者のための中国語音声教育に貢献することである。 これまでは①単母音習得に関する一部の課題を行い、韻尾鼻音が後続する場合の中国語/a/の母音音色の習得に関わる聴覚実験を実施した。ほかの単母音や子音の調査と実験は計画通りに実施していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
調査項目について十分に検討しており、計画通りに実施していく予定である。単母音習得に関する一部の調査は実施済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は計画通りに、まず、日本語母語話者と中国語母語話者の音声を収集する。その次に、日本語と中国語における言語間類似度を確認する。第二段階では、母語話者及びゼロ初級から超上級までの学習者の知覚、産出状況を把握し、母語話者との比較を行う。本研究は知覚上と産出上の混同より、どの項目がどの時点において先に母語話者と同レベルになるのかを注目すべく、知覚に関しては、同定問題をさせた上で知覚の閾値を実験で測り、産出に関しては、音韻評価と音声自然度評価の上で、音声ソフトウェアPraatで測定する予定。今回の研究では、プロフィールなどを含めて学習歴の確認も行う。特殊な学習歴(たとえば、長期的に自然な音声として不適切なインプットを受け続けた場合)を持つ学習者のデータを排除しておく。最後に、両言語間の音声的類似度に基づいて、学習者における各分節音(①:単母音、②:子音の無声有気音と無声無気音、③子音の/l/と/r/)の習得状況と照らし合わせ、SLM・SDRHの妥当性及び、両言語間の音声的類似度を類似性と見做していいかどうかを検討した上で、日本語話者のための中国語音声教育乃至第二言語の音声教育全般への提言を行う。
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