Project/Area Number |
23K12267
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Kyoto University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
モッタ フェリッペ 京都外国語大学, 外国語学部, 講師 (30867198)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 日系ブラジル移民 / エスニック・メディア / 住居 / 写真集 / 表象 / 伯剌西爾時報 / 日系ブラジル社会 / 大日本帝国 / 集団記憶 / ナショナリズム / 戦争経験 |
Outline of Research at the Start |
大日本帝国と日系ブラジル社会の紐帯に焦点を当て、帝国の勢力圏と非勢力圏との相対的な関係において日系ブラジル社会の思想を分析対象とする。その紐帯は日本語を媒体とする帝国から流入する思想の一方的な受入れだけではなく、帝国の内外から循環する多種多様な思想系統に対する容認および反発を含む複雑かつ流動的なプロセスであった。移民知識人の言論活動を中心に、文学や芸術の分析を通してその紐帯の有り様を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は主に日系ブラジル社会のエスニック・メディア、とりわけ日本語新聞の熟読に専念した。その中、大日本帝国総領事館の「御用達新聞」として知られる『伯剌西爾時報』を中心的に読んだ。『伯剌西爾時報』は領事館に近いその立ち位置により「官」の側面が突出しており、「教育される存在」としての移民を考えるのに貴重な資料である。なお、その媒体に現れる思想はブラジルあるいは南米ならではの特異性を含意しつつ大日本帝国の勢力圏・非勢力圏に流通していた言説も確認できるので、それに注意を払って作業を進めた。 引き続き、移民と住居の問題にも注目した。住まいは私的生活の拠点であり、家庭が営まれる空間である。また、衣食住の中でも特に渡航前後に移民が意識していた領域である。2023年度は日系ブラジル移民史における住居の問題をとりあげ、エスニック・メディアにおいてその問題がいかに語られていたかを分析した。また、移民文学、移民をめぐる展示、そして写真集において移民の家がいかに表象されたかを取り上げた。 この課題の初年度にあたる当該年度では資料の入手、または通読に多くの時間を割いた。加えて、移民と写真の問題を論じるにあたり写真論をめぐる文献を多いに読んだ。 予定していたブラジルでの現地調査を実施することは出来なかったが、国内調査は数回にわたり実施し、多くの資料を参照することが出来た。 最後だが、2023年度はサンパウロ大学、サンパウロ人文科学研究所、そして日本国内外の研究者とミーティング(対面/オンライン)を実施し、意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度において予定していた作業は概ね実施できた。資料を多く入手し、その通読に時間を割いた。また、エスニック・メディア、とりわけ日本語新聞の熟読を進めた。 なお、この分野において新しく発表された研究成果が予想外に多かったので、それを参照し、必要に応じて軌道修正することがあったので、それに時間を費やしたことがある。また、初年度に予定していた第一回ブラジル現地調査が実施できなかったことが「やや遅れている」の判断に直結する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は予定通りに遂行するつもりである。 なお、課題を申請した時に「移民と写真」の問題をめぐる分析を予定していなかったが、言説が視覚的に流布される媒体としての写真を意識する重要性が浮上したので、写真、とりわけ写真集を分析対象に加えることにした。それによりプロジェクトのスコープが拡がるだろう。
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