Project/Area Number |
23K12268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
東四柳 祥子 梅花女子大学, 食文化学部, 教授 (00634619)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 食文化 / ラジオ / 調理法 / レシピ / 家庭料理 / メディア / 近代史 / 料理 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、黎明期のラジオ料理番組の放送内容の分析、並びにその担い手たちの背景を明らかにすることにある。また3年目には、イギリスとアメリカを中心に諸外国のラジオ料理番組誕生の系譜、並びに功労者たちの努力の軌跡を洗い出し、日本の発展経緯との比較的考察に着手する。国際比較を通し、料理を「放送する」ことにこめられた目的意識や演出スタイルの共通性と相違性を明らかにすることで、日本の固有性の描出に努めたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、黎明期のラジオ料理番組の放送内容の分析、並びにその担い手たちの背景を明らかにすることにある。 2023年度にはこれまでに収集した先行研究の再読を行うとともに、放送原稿の判読・テキスト入力に取り組んだ。なおテキスト入力、並びにデータの分析は、当初の予定通り、今年度も継続する。 また昨年度には、番組に出演した料理人や料理研究家たちの経歴調査にも着手した。現在までで明らかになっている出演者の顔ぶれを概観すると、その多くが料理書を手がけており、講習会や女学校などでの指導実績のある教授陣が担当していたことが確認された。なかには調理技術を独学で身につけた工学博士・櫻井省三のような傑物もいる。安政元(1854)年、櫻井は加賀藩下級武士・櫻井甚太郎の息子として生まれ、明治2(1869)年に藩費で上京後は、東京開成所、大学南校、横須賀造船所学舎で学んだ。明治10(1877)年には、海軍省からフランス留学を命じられ、同14(1881)年6月の帰郷後は、海軍御用掛として横須賀造船所に在勤。翌年には、工部大学校造船科(現在の東京大学工学部)教授も兼任した(『大日本博士録 第五巻』)。その後もイギリス、フランス、アメリカでの公費個人視察を経て、日本の造船学の礎を築いた。なお櫻井省三著『栄養本位の簡易西洋料理』(1927)によると、幼い頃から母親の料理の手伝いをさせられたことや、フランス留学中に調理法のメモをとる趣味が高じて、料理の道を志したとある。本格的な西洋料理書にとどまらず、マナーブック、食の健康法の書籍も手がけた金沢出身の造船技師の詳細な功績については、本年度公表を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査を始めるにあたり、先行研究の再読から着手したため、放送原稿(昭和4年8月~昭和6年5月)の判読・テキスト入力の開始時期が半年ほど遅れてしまった。また年末の帰省中、令和6(2024)年1月1日に発生した能登半島地震で被災し、自宅の復旧対応等で、年が明けてからの資料調査に十分な時間が取れなかった。当初のスケジュールよりテキスト入力にも時間がかかっているため、昨年の遅れを取り戻せるよう、今年度はピッチをあげて努めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度前半期には、昨年度から継続中のテキスト入力に注力し、放送原稿に収録されたレシピのリストアップに努める。リスト完成後は早急に放送内容の系譜、出演者たちの経歴・動向等の考察にとりかかりたい。 また後半期には、昭和前期の放送内容を収録した料理書(『季節のお料理』〔1927〕、『ラヂヲ料理 四季の料理』〔1927〕、『ラヂヲ料理 日日の料理』〔1928〕、『放送料理一千集』〔1935〕など)所収のレシピのリストアップも行い、放送原稿の内容と併せて分析を行う予定である。また放送に関与した出演者たちの背景についても継続して調査を進める。
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