Project/Area Number |
23K12269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
井上 将文 北海道大学, 文学研究院, 専門研究員 (60791126)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2027: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 酪農 / 乳業資本 / 移民 / 農業 / 北海道 / 開発 |
Outline of Research at the Start |
近年、酪農史分野への関心が高まっているが、その研究蓄積は、未だ充分とは言い難い。本研究の目的は、第一期北海道総合開発計画第一次(1945~1956)の時代を中心に、戦後北海道において展開された酪農事業の検討を通じて、戦後北海道における人口定着の手段としての酪農の役割を抽出することにある。この作業を通じて、北海道において酪農経営が、移民の受入・定着という、戦前期以来の国家的課題のもとで推進されていたことを明らかする。本研究を遂行するにあたり、道内外の図書館・研究機関に散在している諸史料を調査・蒐集する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、北海道大学附属図書館北方資料室所蔵のパンフレット群(「北資パンフレット」、「高倉パンフレット」)から、戦後の酪農事業(主に、農地開拓部、北海道開発局など、根釧パイロットファーム計画に携わった各機関に関する諸史料)を調査・蒐集した。同時に、北海道立図書館にて、北海道開発局およびその関連機関か作成した根釧原野開発計画に関わる各種資料を調査・蒐集した。 他方で、今日の北海道酪農をとりまく困難な状況を踏まえて開催されたシンポジウムにパネラーの一人として参加し、報告を行った(井上将文「昭和戦前期における連続凶作と北海道酪農の形成」日本酪農乳業史研究会2023年度シンポジウム、テーマ:北海道における酪農乳業の展開と協同組合の役割、日本酪農乳業史研究会、オンライン、2023年4月13日。https://dairy-history.org/)。あわせて、戦後における酪農経営の飛躍的発達の前提となる、戦前期における乳業資本の進出と産業組合等の農民組織の発達について、根釧及び十勝地方を対象に、研究報告(井上将文「戦間期根釧地方における移民経営と酪農導入」畜産経営経済研究会2月例会、畜産経営経済研究会、オンライン、2024年2月5日、井上将文「戦間期における十勝酪農の形成」政治経済学・経済史学会第55回北海道部会、政治経済学・経済史学会、オンライン、2023年6月17日)、講演(井上将文「十勝酪農のはじまり-乳業資本の動向を中心に‐」大津・十勝川学会、於とかちプラザ、2024年3月3日)、論文(井上将文「戦間期十勝地方における酪農導入」『酪農乳業史研究』20号、2023年)とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北海道大学附属図書館、及び、北海道立図書館における史料調査を通じて、根釧パイロットファーム計画の関係史料、及び、第一期北海道総合開発計画第一次(1945~1956)の時代における各地方の資料の調査・蒐集など、おおむね順調に進展しているといってよい。また、日本酪農乳業史研究会2023年度シンポジウムにおける報告を通じて、戦間期から戦中期にかけての酪農史の全体像を把握できたことは、今後、研究を進めていく上での大きな収穫であった。ただ、根釧地方の史料調査については、未だ、調査の余地がある。学会報告を通じて、中標津町図書館及び中標津農業高校に、酪農経営指導者に関する諸史料が所蔵されていることを把握したのて、どのような史料が残されているのか、実地にて調査・蒐集する必要がある。 他方、2024年度にて調査の中心と考えている胆振地方の調査と関係して、2023年度には苫小牧市立中央図書館にて、1950年代の新聞史料(『南北海』)ほか、第一期北海道総合開発計画第一次(1945~1956)の時代の勇払原野開発に関わる各史料をを調査・蒐集した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も引き続き、第一期北海道総合開発計画第一次(1945~1956)にかかわる計画書、概要などを、北海道大学附属図書館北方資料室および北海道立図書館にて調査・蒐集する。あわせて、2023年度からすでに一部行っていた胆振地方の自治体における史料調査を継続し、新聞史料ほか、当該期における勇払原野開発に関わる各史料をを調査・蒐集していきたい。2024年度は、前年度の調査成果を足掛かりにして、室蘭市立図書館、伊達市立図書館などの各地方図書館にて、新聞史料のほか各図書館に所蔵されている郷土資料の調査・蒐集にあたり、第一次計画期の勇払原野における移民招致・酪農経営の実態の検討を通じて、戦後開発計画における移民経営策としての酪農事業の役割について明らかにしたい。あわせて、今年度からは可能な限り、各自治体の役場に所蔵されている可能性の高い『広報』について調査してきたい。『広報』には、各自治体の酪農経営に関わる情報が記載されていることがある貴重な同時代史料のため、積極的に蒐集していきたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)