今川了俊関係史料の分析による室町幕府地方支配の研究
Project/Area Number |
23K12273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀川 康史 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (80760280)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 今川了俊 / 南北朝内乱 / 室町幕府 |
Outline of Research at the Start |
今川了俊(1326~1420頃)は南北朝・室町初期の武将・歌人で,1370年に九州探題に任じられ,1395年まで九州の平定に従事した人物である。探題在任期間中に豊富な史料を残しており,その数は彼自身の発給文書だけでも500点以上にのぼる。特に今川了俊関係の書状(手紙)は,定型的な上位下達文書とは異なり,長文かつ具体的な記述に富んでおり,質・量ともに南北朝内乱の様相を伝える第一級の史料といえるが,多くは年未詳史料であり,その活用は不十分な状況にある。本研究課題では今川了俊関係史料の基礎的分析を行うとともに,室町幕府体制下における地方支配の実態と,地方の側が秩序形成において果たした役割について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は九州探題今川了俊関係史料の分析を通じて、室町幕府地方支配の現場について明らかにしようとするものである。1年目にあたる2023年度は、今川了俊関係史料の収集と花押の編年研究を進めるとともに、関係史料の原本調査・撮影を実施した。また、一族・家臣に関する再検討を行い、その一部は、内々の研究会ではあるが「入来院家文書」の研究会にて報告した。 具体的な研究成果として、2023年5月の歴史学研究会大会・中世史部会において「室町幕府支配体制の形成と展開」と題する報告を行い、今川了俊の探題解任とその後の九州情勢を、室町幕府支配体制に及ぼした影響に注目しながら論じた(『歴史学研究』1041号掲載)。また、「駿遠地域と今川氏」と題する論考を寄稿した谷口雄太編『東海の中世史2 動乱の東海と足利一門』(吉川弘文館)が間もなく刊行予定である。 2023年度は九州における南北朝内乱についての博物館展示が2件開催され、研究代表者もこれに協力した。まず、都城島津伝承館(宮崎県都城市)で開催された『北郷氏誕生 南北朝・室町時代の都城』(7月29日~10月1日)では、「南九州の南北朝内乱と都城」と題する講演を行った。次に、鹿児島県歴史・美術センター黎明館(鹿児島県鹿児島市)で開催された特別展『南北朝の動乱と南九州の武士たち』(9月29日~11月5日)では「九州探題今川了俊と南九州情勢」と題する論考を寄稿したほか、「南九州の南北朝内乱と九州探題今川了俊」と題する講演を行った。 このほか、関連する研究成果として、『アジア遊学289 海外の日本中世史研究 「日本史」・自国史・外国史の交差」(勉誠社)を編集(共編)・出版し、英語圏における南北朝時代(14世紀史)研究の動向・特徴を紹介する論考等を執筆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は、今川了俊関係史料の収集、花押の編年研究、原本調査・撮影等を計画通り進めることができただけでなく、博物館展示への協力を通じて研究成果を発表することができたため、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度以降は当初の計画通り、2023年度の調査を基礎としながら具体的な検討に着手し、その成果を口頭報告・論文のかたちで順次公表を進める予定である。また、今川了俊探題期を含む南北朝時代の九州についてまとめる機会を与えられたことから、そのための執筆準備も行う予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)