大正期の「第三党」勢力に関する基礎的・実証的研究:立憲国民党・革新倶楽部を中心に
Project/Area Number |
23K12284
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Notre Dame Seishin University |
Principal Investigator |
久野 洋 ノートルダム清心女子大学, 文学部, 准教授 (10795181)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 犬養毅 / 立憲国民党 / 革新倶楽部 / 犬養健 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、大正期の日本政界で一貫して「第三党」勢力の位置を占めた立憲国民党・革新倶楽部に着目し、その政治動向、組織、支持基盤を一次史料に基づいて実証的に解明する。その際には、事実上の党首である犬養毅の政治指導や選挙地盤を包括的に分析し、中央と地方にまたがる立憲国民党・革新倶楽部の動向を把握する。そのために、犬養木堂記念館に保管されている犬養本家の史料などの新出史料を積極的に発掘・活用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究の最初の年度であり、基礎的な史料調査に重点を置いた。 第1に、犬養木堂記念館での調査を継続的に進めた。まず同館に所蔵されている史料の概要調査を実施し、調査方針を固めたうえで、「犬養家資料」の目録化の作業に入った。目録化にあたってはノートルダム清心女子大学の学生の参加を得て、今年度は約500点の目録を採ることができた。ただしこれらの史料は犬養健に関係するものが多く、「犬養家資料」には大正期「第三党」勢力に関するものはやや少ないことが判明した。さらに同館に収蔵されている犬養毅の書簡史料を収集し、犬養が地元の支援者に宛てたものを中心に翻刻作業を進めた。 第2に、「川村家文書」(大阪市史編纂室)や「大森家文書」「小川家文書」(倉敷市総務部総務課歴史資料整備室)の調査を実施し、大正以降の犬養毅の支持基盤を分析するための基礎史料の収集に努めた。とりわけ「大森一治日記」(「大森家文書」所収)には、犬養毅の選挙活動に関する記事も散見しており、重点的に翻刻作業を進めた。 以上のような史料の収集・分析を進めるとともに、自著に対する書評へのリプライ(「『近代日本政治と犬養毅 1890~1915』への補遺―書評にこたえて―」)や、関連する研究書の書評(「書評 伊藤陽平著『日清・日露戦後経営と議会政治―官民調和構想の相克―』」)を執筆し、大正期の犬養毅や「第三党」勢力の政治動向に関して研究の見通しをあらためて明確にした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で重視しているのは、犬養木堂記念館に所蔵されている「犬養家文書」などの新出史料を発掘・活用することである。「犬養家文書」については、ノートルダム清心女子大学の学生の協力を得ながら史料調査を進められており、犬養木堂記念館所蔵の犬養毅関係の新出史料も収集できた。また、倉敷市総務課歴史資料整備室や大阪市史編纂室でも予定通り調査を実施することができた。初年度に構想していた基礎的な史料調査を進めることができており、本研究は全体としておおむね順調に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は以下の方針のもとで研究を実施する。 (1)「犬養家文書」(犬養木堂記念館)の目録化を進めると同時に、必要な史料の撮影を行う。 (2)大正期の犬養毅の支持基盤を検討するために、『山陽新報』を読み込むとともに、岡山県立記録資料館や倉敷総務課歴史資料整備室での調査を引き続き実施する。 (3)大正期における犬養毅の政策論の展開を把握すべく、犬養の論説記事を収集し、読み進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)