日本海軍の「軍神」・戦争をめぐる顕彰活動―地域社会・廃兵器に注目して―
Project/Area Number |
23K12285
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
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Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
木村 美幸 福井工業高等専門学校, 一般科目(人文系), 助教 (40881066)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 海軍 / 顕彰 / 慰霊 / 廃兵器 / 軍神 / 地域社会 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、日本海軍の「軍神」や戦争をめぐる顕彰活動について、地域社会や廃兵器の役割に注目して、戦前・戦後を通して検討するものである。本研究では、各地域の具体的な「軍神」の事例をふまえた上で、記念碑に据え付けられた廃兵器の払下げ制度全体を考察する。このことによって、地域社会や廃兵器が顕彰活動においてどのような役割を果たしたかについて戦前/戦後を通時的に明らかにし、軍事社会史研究に新たな展望を開く。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、顕彰にかかわる論点として、佐久間勉の検討を進めた。特に地域における顕彰活動の前提となる佐久間勉がなぜ海軍中央で顕彰されたかについて研究した。この結果、佐久間勉は遺書を書いたことによって顕彰されたと考えられていたが、遺書が発見される以前から顕彰活動が開始されていたことが明らかになった。これは潜水艇という当時最先端技術の導入期にある中で、乗組員志望者を確保するために行われていた。これらの内容は飛行機搭乗者に対する待遇と合わせて後に制度化されることになった。しかし、靖国神社への合祀だけは見送られ、戦死者との間の待遇差は残ることになった。この成果をふまえた上で、福井地域で佐久間勉がどのように顕彰されたかを検討したい。なお、本成果については来年度論文として掲載予定である。 本科研で取り組む予定である廃兵器については、『中日新聞』からの取材を受けた。社会的にも関心が高いテーマであることを認識したので、今後研究を進めていきたいと考えている。 戦後の自衛隊についても海軍の顕彰活動に関与していることから、自衛隊関係の資料収集も合わせて行った。まだ具体的な方向性はみえていないが、今後も史料収集を継続したい。 また、以前行っていた観艦式の研究も、海軍の顕彰や地域の関係に関わる論点であり、この点について再度検討を進めた。その結果、1930年観艦式における大阪・神戸・海軍の関係について明らかにすることができた。その成果を論集に論文として発表することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果も出すことができ、資料も収集することができたため、概ね順調に推移している。ただし、それらの資料の分析はやや遅れており、今後分析を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
軍神についての研究をある程度まとめた上で、来年か再来年度には本格的に廃兵器の研究について進めていきたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)
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[Book] 日本海軍と近代社会2023
Author(s)
兒玉 州平、手嶋 泰伸
Total Pages
318
Publisher
吉川弘文館
ISBN
9784642039307
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