Project/Area Number |
23K12319
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03070:Museology-related
|
Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
郡司 芽久 東洋大学, 生命科学部, 助教 (80833839)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
|
Keywords | 博物館 / 骨格標本 / 臭気 / 博物館標本 / 標本作成 / 骨格 |
Outline of Research at the Start |
哺乳類の骨格標本作製時には死臭や腐敗臭のような強い悪臭が生じることが多く、標本作製を行う上で大きなハードルとなっているだけでなく、近隣施設との悪臭トラブルに発展する危険性も孕んでいる。動物の屍体を原因とした悪臭の対策方法は、主に工場や廃棄物処理施設において提案と科学的検証がなされてきたが、それらを標本作製作業に活かした試みは少ない。そこで本研究は、過去の工場等での知見を踏まえた上で、骨格標本作製法の中でも最も一般的な「水炊き法(温湯の中で数時間から数週間,標本を煮込む方法)」を対象に、標本作製時の減臭法の確立を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類の骨格標本作製時には死臭や腐敗臭のような強い悪臭が生じることが多く、標本作製を行う上で大きなハードルとなっているだけでなく、近隣施設との悪臭トラブルに発展する危険性も孕んでいる。動物の屍体を原因とした悪臭の対策方法は、主に工場や廃棄物処理施設において提案と科学的検証がなされてきたが、それらを標本作製作業に活かした試みは少ない。 本年度はまず、廃液に含まれる臭気物質の検出方法を確立することを目指し、表面増強ラマン散乱(SERS)分光法を用いた揮発性硫黄化合物の測定を試みた。動物園より献体されたマレーグマ・アカカンガルー・アビシニアコロブスの遺骸を煮込んで骨格標本を作成し、その際に出た煮汁(廃液)を採取した。東洋大学生命科学部のバイオプラズモニクス研究室の協力のもと、SERS分光法を用いた測定を実施し、揮発性硫黄化合物のスペクトルを得た。また、常温まで冷ました廃液と70°の廃液で分析を行い、温度に応じた変化の解明を試みたが、現行の手法だと分析に必要な溶液は数百μlと微量であるため、計測中に温度が下がり、溶液温度と臭気物質の関係性を明らかにすることはできなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた通り、標本作成時に生じる煮汁(廃液)に含まれる臭気物質を検出することができた。当初は市販の臭気分析機を購入して分析を実施する予定であったが、東洋大学生命科学部のバイオプラズモニクス研究室の協力を得ることで、SERS法を用いて少量で安定的に硫黄化合物の計測を行うことが可能となった。本年度は、骨格標本の廃液分析に適した分析法を一定に確立することができ、おおむね予定通りに進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
現行の手法では温度に応じた変化を追うことが困難であるため、廃液をウォーターバスで温めた状態のままで揮発性硫黄化合物を計測する手法の開発を目指している。また、次年度以降は、界面活性剤やタンパク質分解酵素を添加した廃液でも分析を行い、臭気物質の変化を明らかにする。当研究室ではさまざまな動物種の標本を作成しているため、分析方法が確立されたのちには、動物種に応じて煮汁内の物質が異なるのかどうかも測定する。また、骨格標本化を進める前にCTスキャンで撮影することで、骨、筋肉、骨髄の容積を測定し、サンプルサイズによって廃液内の臭気物質量が変化するかを検討する。
|