Project/Area Number |
23K12328
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 04020:Human geography-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
谷本 涼 帝京大学, 経済学部, 講師 (80902072)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | アクセシビリティ / 生活の質 / インターネット調査 / ウォーカビリティ |
Outline of Research at the Start |
財・活動機会に対するアクセシビリティの向上は、生活の質に直結する政策的命題である。あらゆる人々の生活の質の向上に資するためには、生活空間の客観的特性はもちろん、個人の認知的特性も踏まえて、生活全体でのアクセシビリティの個人差・地域差を析出した上で、それが個人の暮らしやすさや幸福度にいかに影響しているか、すなわちアクセシビリティと生活の質との関係を解明する研究が必要である。本研究ではインターネット調査を活用して、客観的/認知的アクセシビリティに関わる全国規模のデータを整備し、多様な統計分析や空間分析を適用することで、上記の課題への対応に貢献する。
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Outline of Annual Research Achievements |
①生活空間の客観的特性はもちろん、②個人の認知的特性も踏まえて、生活全体でのアクセシビリティの個人差・地域差を析出した上で、それが個人の暮らしやすさや幸福度にいかに影響しているか、すなわち③アクセシビリティと生活の質との関係を解明するという、本研究の3つの視点に対応する分析に向け、2024年度は研究計画の1年目として、研究計画の主幹であるインターネット調査の準備、および関連するデータベースの整備とその幅広い応用に注力した。上記のデータベースの一例として、研究代表者らは、徒歩での暮らしやすさを定量的・客観的に、かつ日本全国にわたって評価する「全国郵便番号界ウォーカビリティ指標」をすでに整備・公開しており、これを用いた地理学内外(疫学、フードマネジメントなど)での応用研究を、他の研究者と共同で実施している。これにより、生活の質にかかわる多様な事象の地域差や個人差が、個人の特性だけでなく、生活環境にも起因して生じていることを明らかにしており、本研究の目指すアクセシビリティと生活の質との関係解明に向けて、有意義な知見を得ており、学会発表を経て、論文等での交換に向けて準備を進めている。こうした共同研究は、本研究計画でのインターネット調査に向けた準備としても、重要なステップとなった。 財・活動機会に対する人々のアクセシビリティの向上は、生活の質に直結する政策的命題である。日本では、利便性の高い大都市への集中から、防災意識や環境志向の高まり、および少子高齢化の中での地方移住への注目のように、暮らしに対する価値観が多様化する潮流が、コロナ禍を経て決定的となっている。その中で、あらゆる人々・地域における生活の質の向上に資するためには、アクセシビリティと生活の質の関係に関する分析がより一層強く求められているが、これへのひとつの対応として、本研究は着実に成果を生み出しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目はインターネット調査の準備や、関連するデータベースの整備と応用に注力することを予定しており、実質的議論は十分に進められている。論文等での公刊に向けては、共同研究者などとの調整を進めているところであり、近く成果を挙げられるものと見込んでいる。研究実績の概要で述べたウォーカビリティ指標については、多方面から利用の申し込みを受けており、その中で、生活環境に直結した地理的指標の応用の裾野を広げつつ、本研究計画を、構想段階からさらに洗練させる新たなアイデアも得られてきている。こうしたことから、本研究は当初の計画におおむね沿った形で、しかしながら社会と学術の情勢に沿った新たなアイデアを含み込みながら進められていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、インターネット調査の実施とその活用を目標に研究計画を進める。現在のところ、大きな計画変更を要する事案は当面見込まれないが、多方面との共同研究の中で、設問の量や内容の面で見直しをはかっている。ウォーカビリティ指標など関連指標を用いた共同研究も、まもなく公刊できる見通しであり、引き続き進展させていく。 なお、インターネット調査を本研究で利用するという構想は、回答者の代表性や回答の正確性に関する懸念が、調査設計上の配慮によって十分にクリアできるとされてきたことや、地理的に広範囲な調査を迅速に行え、対面調査よりも回答者の本音を得やすいという元来の利点に加えて、モニターの増加に伴い特定地域での調査可能性も高まっていることからきた着想であるが、近年、モニターの追跡可能性や学術目的のアンケートの実施可能性などについて、新たな知見が得られつつある。この点については、こうした調査法に詳しい共同研究者との打ち合わせなどを行っており、有効なインターネット調査の実施に向けて、さらに調査票の洗練を進めていく。
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