Project/Area Number |
23K12342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
村橋 勲 静岡県立大学, 国際関係学部, 助教 (00882333)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2027: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 首長 / 支配年齢階梯 / 雨 / 世代交代 / 南スーダン / 難民 / 国家 / 権力 / 年齢組織 |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は以下のとおりである。 1.東ナイル系言語=民族集団であるロピット(Lopit)の神話、民話、口頭伝承、歌を収集し、彼らの間で共有されている記憶を明らかにする。また、ロピットの下位集団のモニョミジ間の共通性と差異を分析する。 2.儀礼や慣習から環境、動植物、人間という異質なアクターどうしの相互作用からモニョミジ体系を支えるコスモロジーと政治との連関を考察する。 3.1.及び2.より「国家なき社会」における権力と「国家」の権力との差異を考察する。 4.現在の南スーダンにおいて国家の統治が十分に及ばない地域における国家と慣習的権威とのハイブリッド・ガバナンスの諸相を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、南スーダンのロピットにおける政治社会体系の詳細を明らかにし、権力の源における首長(雨師)と支配年齢階梯(モニョミジ)の二重性という課題を、各地域集団の口承の歴史から明らかにすることを目的としている。本年度は、ウガンダのキリヤンドンゴとパラベク難民居住地、および、ケニアのカクマ難民キャンプにおいて、ロピット人の年長者へ聞き取り調査を実施し、首長の系譜と雨をめぐる首長とモニョミジとの軋轢に関する事例を収集した。また、コロナ禍の期間中に南スーダンの集落で実施されたモニョミジの世代交代儀礼に関する映像記録を入手し、儀礼の詳細についての情報を収集した。具体的には以下の2つに関する調査を実施した。 1.首長の系譜:ロピットの2つの地域集団に関する首長の系譜と首長殺しの事例に関する口頭伝承を収集した。また、男性と女性のモニョミジが別の組織であることが判明したため、女性のモニョミジに関する聞き取り調査を行った。 2.モニョミジの世代交代儀礼:2つの地域集団において行われた世代交代儀礼の映像記録を入手し、映像の翻訳と解析を行った。なお、この映像は、コロナ禍の間に、ケニアに暮らすロピット人のインフォーマントに記録を依頼していたものである。 今回の調査で明らかになった調査結果は、令和6年度に、地域研究や国際人類学に関連する学術学会で公表する予定である。また、令和5年度は、ウガンダの難民支援に関する書籍論文(分担執筆・英語)、難民のモビリティに関する書籍論文(分担執筆・日本語)の刊行と公開講演(招待あり・日本語)を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでコロナ禍で実現できなかったフィールドワークがウガンダとケニアそれぞれで可能になり、インフォーマントとの対面での聞き取り調査により、これまでのSNSや電話を介した調査よりも具体的な情報を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、これまでの調査で収集したデータに基づき、日本ナイル・エチオピア学会(JANES)と世界人類学連合(WAU)が主催する学術大会などで研究成果を報告する。 また、ケニアのカクマ難民キャンプでフィールドワークを実施し、ロピットにおける女性モニョミジに関する包括的な聞き取り調査を進めるとともに、その研究成果を研究会や学術大会での発表、学術論文の刊行などを通じて公表する。
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