A Theoretical Reexamination of Non-Group Theory in the Study of Han-Chinese Societies
Project/Area Number |
23K12343
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
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Research Institution | Edogawa University |
Principal Investigator |
川瀬 由高 江戸川大学, 社会学部, 講師 (60845543)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 非集団論 / 差序格局 / 関係あり、組織なし / 漢人社会研究 / 学説史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、漢人社会研究の学説史を批判的に再検討するものだと位置づけられる。集約的文献研究および台湾北部・中国江南地域の現地調査に基づき、これまでの中国大陸および台湾の漢人社会研究において見られた社会関係の特質に関する諸議論を「非集団論」という新たな視点から捉え直すことで、その理論的意義を明らかにすることを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまでの中国大陸および台湾の漢人社会研究において見られた社会関係の特質に関する諸議論を、「非集団論」という新たな視点から捉え直すことで、その理論的意義を明らかにするものである。先行研究では「集団か個人か」という二分法から漢人社会像を描く傾向が見られたが、費孝通の「差序格局」の理論、すなわち、時と場合に応じて伸縮する集合(assemblage)に着目するならば、この矛盾は止揚される。このような視座のもと、本研究では集約的文献研究と台湾北部・中国江南地域の現地調査を通して、これまでの研究蓄積および学説史を批判的に再検討する。そして、今日の人類学的集合論との対話を通して、「非集団論」という新たな理論的枠組みの確立を試みる。 以上の研究課題にむけ、2023年度には台湾での現地調査に加え、理論的枠組みに関する文献研究、および学術会議等での口頭発表を行った。台湾宜蘭県においては、「関係あり、組織なし」テーゼを発表した著名な人類学者・王崧興の調査地であった亀山島と、もと亀山島民らの集住エリアを訪問し現地調査を行った。その過程では、古典的民族誌『亀山島』(1967年)をより深く理解するための有益な資料を得るとともに、今後の調査研究の展開に必要不可欠な研究協力者との知己を得ることができた。また、本研究の理論的枠組みに関する研究にも着実な進展があり、2024年3月刊行の論文集(分担執筆)においては、中国民族誌学における非集団論の隠れた研究の系譜を紐解くレビュー論文を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献研究では、分担執筆した『中国民族誌学』(風響社、2024年)において、本研究課題の中心的テーマである「非集団論の学説史上の位置づけ」を提示することができた点が最も大きな成果であった。このほか、特に日本の共同体型社会関係との比較を通して、「非集団論」という問題設定の妥当性について検討し、その成果の一部として、2023年12月には日本と中国の「祭礼組織」について検討する口頭発表を行った。また文献研究および2023年8月におこなった現地調査をもとに、2023年12月には、王崧興による漢人社会論の特徴について検討する口頭発表を行った。なおその成果は、現在出版準備中の編訳書(2024年5月出版予定)に組み込まれる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度には引き続き文献研究と資料分析を進めると共に、これまでの研究成果をもとにした論文の執筆・寄稿も行う予定である。 また、2023年度に引き続き、台湾東海岸での現地調査を行う予定である。一方、2024年度には中国江南地方各地での現地調査の実施も計画していたものの、様々な事情から年度内での実施は難しいことが予想される。目下の対応策として、資料分析に比重を置くことと、台湾でのフィールドワークに注力することを通して、本研究課題の更なる進展を試みる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)