Project/Area Number |
23K12363
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05020:Public law-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
横井 里保 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 講師 (50882742)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
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Keywords | 租税法 / 遺産税 / 租税回避 / 相続税 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、米国におけるアップストリームタックスプランニングの構造を明らかに して、その法的規制へ向けた議論を検討することにある。2017年に成立した減税雇用法 (Tax Cuts and Jobs Acts)は、基礎控除の大幅な増額など富の移転課税に重要な変化をもたらした。米国を研究対象として、アップストリームタックスプランニングの規制をめぐる議論を、減税雇用法の成立前と後に分けて整理する。減税雇用法の成立後から現在までの議論の展開を検討することにより、我が国の相続税回避の否認論に示唆を得ることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究実績は大きく分けて2つある。第1に、我が国の相続税回避の否認論について、これまでの研究成果を学会で報告することにより、質疑応答を通して有益な示唆を得るとともに、我が国における問題点を抽出することができた。第2に、アメリカにおけるアップストリームタックスプランニングの法的規制について、減税雇用法の成立前の議論を整理することができた。 第1の研究実績は、研究目的との関係で重要な意義があった。すなわち、富の移転に対する課税において、我が国とアメリカでは採用する課税方式が異なるため、アメリカの遺産税回避の法的規制を研究するだけでなく、それが我が国の相続税回避にどのような示唆を与えるのかという検証が必要である。我が国の相続税回避の問題を具体的に抽出することにより、比較法研究において、財産評価の点から検証が必要であることが確認できた。 第2の研究実績は、研究実施計画に従ったものであり、減税雇用法前の成立前の議論について、主にアメリカ文献の収集と精読を行った。併せて、本研究はアップストリームタックスプランニングの法的規制を研究するものであるから、アメリカの富裕層の遺産税対策の現状を整理できた。アメリカの遺産税回避策には、信託や慈善団体を利用するもの等多種多様であるが、中でも子から被相続人に資産を移転して課税標準額を操作する遺産税回避策が、富裕層の間で人気である。文献の精読と遺産税回避行為の現状を踏まえて、比較法研究では、内国歳入法典1014条に規定されている、故人から取得した財産の評価に焦点を当てて研究することの必要性を見出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アメリカの富裕層の遺産税回避策の現状をさらに調査する必要があったため、減税雇用法成立前の議論についての調査が当初の予想よりも遅れた。文献の収集と精読に時間を要したため、整理しきれていない部分は次年度に実施することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進において、まずは2023年度に残された課題を実施する。そのうえで、現在の研究成果を踏まえ、①減税雇用法成立後の議論の整理を行い、②アメリカの富裕層の遺産税回避の法的規制について研究を行う。アメリカの税務専門家等へのインタビューも実施予定であるため、それらも踏まえて研究成果をまとめる予定である。
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