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国家と諸個人の自由をめぐる考察:フランスの「公序」の視角から

Research Project

Project/Area Number 23K12367
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 05020:Public law-related
Research InstitutionTokyo University of Science

Principal Investigator

田中 美里  東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 講師 (30906897)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Keywordsフランス憲法 / 熟議民主主義 / 気候市民会議 / 公序 / フランス共和主義 / 基本権
Outline of Research at the Start

本研究は、フランス憲法学との比較法的な検討から、私たちの権利や自由の保障のあり方を考察するものである。すなわち、「私たちの権利が保障されている」とか、「私たちは自由である」といったとき、それは、単に、法的な制約が不存在であることを言っているのか、あるいはより積極的に、私たちが真に自分自身の判断によって生き方を決めることができることを言っているのか、そして、そこにおいて、公権力は、どのような役割を果たすべきかの検討を目的としている。より端的には、従来の対国家的な権利観・自由観の見直しの必要を念頭に、私たちの権利・自由のよりよい保障のために、国家が果たすべき役割を考察しようとするものである。

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、フランスにおける気候市民会議の試みや労働法分野における合理的配慮の観点から、フランスにおける民主主義観や平等観などの検討を行った。
もともと「公序」とは、基本権の制約を正当化すると共に、国家による介入を行うことで、人々の間の権利保障の公平な調整を行う概念であるが、気候市民会議などの新たな民主主義的参加のための政策の推進によって、ますます、権利保障の程度や限界の問題は、民主主義による熟議によって決定される問題へと変遷してきているように見受けられる。このことは、すなわち、「公序」という法概念の内容もまた、民主主義によって決定される傾向が出てきているということである。
労働法分野においても「公序」という概念は発展を遂げている。この点はまだ検討不足であるが、労働法分野における「公序」にはあらかじめ、公平性の観点や労働者の健康状況への配慮などの観点から織り込まれているようである。
「公平性」の解釈の多様化とともに、「公序」という概念の中身の決定も以前ほど容易ではなくなってきているように思われ、このような傾向に対して、フランスは、決定への市民の参加を重視することで、一定の対処を試みているのではないかとも考えられるが、この点については、より詳しい検討が必要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

計画していたよりも研究の時間の確保することができず、民事法や刑事法分野での「公序」の用いられ方についての検討をすることが出来ていない。またフランスでの現地調査も行うことが出来ていないため、今年度の実現を試みたい。

Strategy for Future Research Activity

まずは、フランスにおける新たな市民参加への試みについての評価をまとめ、それについて、憲法学の観点からの検討を加えたい。とりわけ「公序」という概念への影響がどのようなものであるかについて、重点的に検討していきたい。
また、労働法をはじめ、民事法、刑事法、あるいは、国際法の分野における「公序」という概念の用いられ方についても検討を進めていく予定である。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)

  • [Journal Article] 日本のプライバシー権・現行法制度の概観2024

    • Author(s)
      髙野祥一=田中美里
    • Journal Title

      『個人データ保護のグローバル・マップ』

      Volume: - Pages: 4-45

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  • [Journal Article] 団体の解散と結社の自由2023

    • Author(s)
      田中美里
    • Journal Title

      人権判例報

      Volume: 6 Pages: 68-74

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    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] 書評 マイケル・サンデル著(鬼澤忍訳)『実力も運のうちー能力主義は正義か?』2023

    • Author(s)
      田中美里
    • Journal Title

      社会と倫理

      Volume: 38 Pages: 137-141

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  • [Journal Article] 発展する科学技術と憲法学2023

    • Author(s)
      田中美里
    • Journal Title

      科学フォーラム

      Volume: 439 Pages: 12-15

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      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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