Project/Area Number |
23K12374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05030:International law-related
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
山下 朋子 愛知県立大学, 外国語学部, 准教授 (20781397)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2027: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2026: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 国際法 / 国際投資 / 国家責任法 / 国際投資法 |
Outline of Research at the Start |
国際投資法は、古典的な国際法(国家責任法)の系譜にありながらも、近年急激な発展を経験した。ゆえに、元来、近代国家の成立とともに形成された国家間関係を規律する国際法規範が、多国籍企業に対してどのように作用するのか、あるいは逆に、投資家・企業が従来は国家のみが行なってきた国際法形成にどのように関与するのか、を検討する必要がある。本研究では、これまで国家間法として形成された慣習国際法規範と投資家との関係性から、現行制度の歪み(国家にのみ義務が課されている片務性)をどのように是正することが可能であるのか、その意味で国家間関係以外にも適用可能な真の「国際責任法」の構築が可能であるのかを検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
国際投資法は、古典的な国際法(国家責任法)の系譜にありながらも、この30年ほどの間に爆発的に増加した投資家が投資受入国を直接に国際仲裁に訴える制度によって急激な発展を経験した。ゆえに、元来、近代国家の成立とともに形成された国家間(inter-national)関係を規律する国際法規範が、多国籍企業に対してどのように作用するのか、あるいは逆に、投資家・企業が従来は国家のみが行なってきた国際法形成にどのように関与するのか、を検討する必要がある。本研究では、これまで国家間法として形成された慣習国際法規範と投資家との関係性から、現行制度の歪み(国家にのみ義務が課されている片務性)を、現行制度の枠内でどのように是正することが可能であるのか、その意味で国家間関係以外にも適用可能な真の「国際責任法」の構築が可能であるのかを検討する。 今年度は、国際投資法における現行制度の歪み(国家にのみ義務が課されている片務性)を、現行制度の枠内でどのように是正することが可能であるのかという点について、国際法外交雑誌へ投稿する論説として準備した。また、編著「Histories of International Legal Theories in Japan」のワークショップ参加と寄稿にむけた準備を行った。そのほかにも新しい国際法教科書の担当箇所の執筆や、各種学会や研究会への参加など、研究主題と関連する最低限度の研究活動は行えたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、教育活動、大学運営、学会の運営に関する活動に例年以上に膨大な時間と労力を費やすことになってしまった。これらの業務は、科研費応募時点では全く予見できなかったほどに圧倒的に過重なものであった。時間的な負荷を軽減すべくバイアウト制度を用いたかったが、科研費採択初年度は採択決定時期と授業時間割確定時期との関係で、担当授業のうち非常勤講師委託できそうな前期の授業について当該制度を使うことができなかった。そのため、研究活動に割くべき時間が圧迫され、当初予定していたほどには充実した研究を行うことができなかった。所属大学の労使交渉で、サバティカル制度の導入などを提案しても、全く受け入れられなかったので、このような研究者を抑圧する業務負担の増大(一部の研究者への集中)は今後も続くものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度はバイアウト制度を利用できることもあり、2023年度との比較では研究時間を捻出できると期待している。執筆中の各種の原稿を終えるだけではなく、各種の研究会や学会での報告を準備するための時間を捻出できそうである。応募時点で研究の構想にあった「 国家間(inter-national)関係を規律する伝統的な国際法規範(特に国家責任法)が、投資家・企業のような強力な私人に対してどのように適用されるのか」、そして、「投資家・企業のような強力な私人の影響力で国際仲裁実行が蓄積することで、これまで抽象的な内容であった国家責任法の精緻化が進み、それにより国家責任法と国際投資法が責任法の次元で融合することで、適用対象を国家に限定しない真の「国際責任法」が形成されるのではないか」という点について、研究会や学会等で報告をしたうえで論考を投稿したいと思っている。 また、数年前から構想している単著の執筆作業を徐々に進めたいと考えている。
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