Project/Area Number |
23K12381
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 05050:Criminal law-related
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
久保 英二郎 新潟大学, 人文社会科学系, 助教 (50964392)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2026: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 有罪判決に基づかない没収 / 没収 / 追徴 / 犯罪収益 / 犯罪収益のはく奪 |
Outline of Research at the Start |
組織犯罪対策のためには犯罪収益のはく奪が必要不可欠であり、その手段となるのが没収である。諸外国では有罪獲得の困難さに対処するために多様な形態の「有罪判決に基づかない没収」(NCB没収)制度が設けられている。一方、我が国では没収が付加刑として規定されており、NCB没収制度は設けられていない。しかし、近年の組織犯罪のグローバル化を考慮すると、我が国でも近い将来その導入が検討されることが予想される。 そこで本研究では、そのための理論的・比較法的知見の提供を目的として、ドイツ法を比較法研究することにより、我が国におけるNCB没収制度の正当化根拠や制度設計の在り方、犯人等の権利保障の方法等を明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、特に犯罪収益のはく奪を念頭において、いわゆる有罪判決に基づかない没収(NCB没収)制度の正当化根拠や制度設計の在り方等を明らかにしようとするものである。本年度は、NCB没収制度のうち、単に手続上の障害により有罪を言い渡せない場合におけるNCB没収(形式的なNCB没収)制度の正当化根拠等に関して、以下のとおり研究を実施した。 まず、ドイツにおける形式的な有罪判決に基づかない没収(NCB没収)の正当化根拠等に関する立法資料や文献等を広く収集し、「ドイツではNCB没収制度がどのような根拠によって正当化されると解されているか」を調査・分析することにより、ドイツ法における形式的な有罪判決に基づかない没収(NCB没収)の正当化根拠等を明らかにすることができた。この調査・分析結果を踏まえて、2024年度は「我が国では形式的なNCB没収制度がどのような根拠によって正当化され得るか」を検討し、公表する予定である。 また、犯罪収益等の没収・追徴に関して、我が国の現行法に欠けている・不十分である点をより深く探るために、我が国における犯罪収益の没収・追徴やマネー・ローンダリングに関する裁判例を広く調査・検討し、実情・理論の両面における不十分な点を明らかにすることができた。その成果については、さらに検討を進めた上で、2024年度中に公表する予定である。 さらに、没収・追徴制度に造詣が深い研究者等が参加している勉強会をはじめとした各研究会に定期的に参加し、研究者や実務家と意見交換を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ドイツにおける形式的なNCB没収の正当化根拠等に関する立法資料や文献等を広く収集・調査することができたほか、我が国における犯罪収益の没収・追徴やマネー・ローンダリングに関する裁判例の調査・検討を通じて我が国の現行法に欠けている・不十分である点をより深く探ることができ、研究実施計画に従った研究を概ね実施することができた。もっとも、ドイツ法の分析については、未だ十分とは言えないため、(1)とは評価しなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
基本的に当初の研究実施計画に従って研究を推進する予定である。具体的には、本年度のドイツ法に関する調査・分析結果を踏まえて、2024年度に「我が国では形式的なNCB没収制度がどのような根拠によって正当化され得るか」を検討し、公表する予定であるとともに、我が国の現行法に欠けている・不十分である点についての検討を進め、その成果を公表したい。
|