日本における選挙運動規制の持続要因の解明:規制緩和「阻止」の動向に着目して
Project/Area Number |
23K12402
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
益田 高成 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (30906631)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2025: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 公職選挙法 / 選挙運動規制 / 戸別訪問 / 選挙制度審議会 / 立法過程 / 選挙制度 / 選挙管理委員会 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、公職選挙法における厳格な選挙運動規制が長期にわたって持続してきた要因を、とりわけ規制緩和の試みが「阻止」されてきた側面から明らかにしようとするものである。公選法における選挙運動規制の起源は同法が制定された1950年まで遡るが、1960年代には既に、選挙制度審議会や選挙管理委員会連合会といった第三者機関が、政府・国会に対し答申や改正要望を提出する形で、明確に規制緩和を要求している。本研究では、これら選挙運動規制の緩和を志向した第三者機関と規制の維持を志向した政府・国会の相互関係に焦点を当て、後者がいかにして前者の影響力を排除することに成功し、規制緩和を「阻止」し得たのかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、公職選挙法における厳格な選挙運動規制が長期にわたって持続してきた要因を、規制緩和の試みが「阻止」されてきた側面から明らかにしようとするものである。本年度は、まず日本における選挙法改正について立法過程の特徴と傾向を確認したうえで、選挙運動規制の緩和を志向した政策アクターとして選挙制度審議会を取り上げ、公職選挙法における代表的な選挙運動規制である「戸別訪問の禁止」の自由化を求めた同審議会の答申が、その後の政治過程においてどのように取り扱われたかを検討した。 まず日本における選挙法改正の立法過程に関しては、公職選挙法制定以後に国会に提出された公職選挙法改正案と、国会で成立した公職選挙法改正案について、提出者や審議日数、賛成・反対会派、採決形態等の情報を収集し、立法過程の年代による特徴や分野による傾向を定量的に明らかにすることができた。当該分析からは、選挙法の改正が一般の法改正と比較すると明確に議会主導で行われる傾向があることが確認されたが、選挙運動規制の分野においてはその傾向がとりわけ顕著であることが明らかになっている。 選挙制度審議会と戸別訪問の禁止の関わりについては、主として同審議会の議事速記録と資料集から戸別訪問に関する議論を整理するとともに、戸別訪問の自由化を求めた第5次審議会の答申を受けて作成された2つの公職選挙法改正案の立法過程を追跡し、最終的に規制の自由化が見送られることとなった経緯とその要因を明らかにすることができた。当該分析では、戸別訪問の自由化が見送られるに至った要因として、審議会の組織構成に起因する抽象的な答申や、とりわけ自民党において多くの議員が共有していた対立候補による「選挙区荒らし」に対する懸念、野党間での足並みの不揃い等があったことが確認されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
1年目に当たる2023年度には、以後の研究の基礎として日本における選挙法改正の立法過程に関する情報を収集・整理するとともに、本研究における主要分析対象の1つである選挙制度審議会について、『選挙制度審議会議事速記録』を中心に各種資料を収集し、調査分析を行うことを計画していた。選挙法改正の立法過程分析については、その分析結果を「公職選挙法改正の立法過程分析:戦後日本における選挙立法の手続的傾向とその変化」と題する論文にまとめ、2023年度中に所属研究機関の紀要にて公開したが、一方で選挙制度審議会に関する分析については、2023年度中に所属研究会において「1960年代における戸別訪問『自由化』の挫折」と題する報告を行ったものの活字化には至っておらず、2024年度中に公開を予定しているところである。以上を踏まえて、「やや遅れている」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目に当たる2024年度は、研究計画の通り引き続き選挙制度審議会を主な分析対象とし、調査分析を進める。まず、既に着手済みである選挙制度審議会と戸別訪問の自由化に関する分析については、2024年度中に所属研究機関の紀要上で論文として公開する予定である。その後は、選挙制度審議会の機能不全をもたらした制度上、あるいは組織上の要因について検討する。第5次選挙制度審議会はその答申において戸別訪問の自由化を政府に対し要求したが、答申の曖昧さが、自由化が見送られる要因の1つとなった。昨年度の分析では、現職の国会議員が特別委員として審議会に参加し、戸別訪問の自由化に難色を示したことが、結果的に答申を曖昧なものにさせた理由であったことが確認されている。そこで2024年度は、選挙制度審議会の設立過程、すなわち選挙制度審議会設置法の制定過程に焦点を当て、いかなる経緯で審議会の組織枠組みが決定付けられたのかを分析する。またこれと並行して、公職選挙法における選挙運動規制の1つとして「事前運動の禁止」を取り上げ、選挙制度審議会による規制緩和の要求が結実しなかった経緯とその要因についても検討する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)