イタリアにおける移民政策の決定に関する政治学的考察
Project/Area Number |
23K12406
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
佐藤 良輔 神戸大学, 国際文化学研究科, 学術研究員 (60849032)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 移民政策の政治 / イタリア / ポピュリズム / 移民政治 |
Outline of Research at the Start |
移民の受け入れは、多くのヨーロッパ諸国において重要な政治的争点となっている。様々な産業において移民への依存度が高まっている一方、移民の排斥を主張する政党の台頭がみられる。また、受入国の世論は一般に移民の受け入れに消極的であると考えられている。そのため、移民政策は規制的側面を強めると予想される。しかし、移民政策には、規制強化だけでなく、移民の権利を保障する拡張的側面も含まれる。移民問題が重要な争点となり、世論の関心が高まる中であっても拡張的な移民政策が導入されるのはなぜだろうか。本研究はイタリアの事例を通じて、政治的要因の重要性を指摘し、移民政治のメカニズムを解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、移民問題が政治争点化している中であっても拡張的な移民政策が選択される要因を、イタリアの事例を通じて解明することである。2000年代以降、イタリアでは移民排斥を強調する極右政党(北部同盟)が台頭し、移民が選挙において重要な争点になった。このような状況において拡張的な移民政策を導入することは困難であると考えられる。なぜなら、受入国の世論は移民に対して消極的なため、再選を目指す政治家にとって落選のリスクを伴うからである。にもかかわらず、イタリアでは移民問題が政治争点化した後にも、拡張的な移民政策が導入された。本研究は、政治的要因に着目しながら、イタリアにおける移民政治のメカニズムを解明することを目指す。 この目的のために、本年度は、まず研究論文、研究機関や移民支援団体による刊行物、日刊紙『Corriere della Sera』などを収集し、読み込んだ。この作業を通じて、イタリアにおいて移民問題がいかにして政治的な争点となっていったのかを検討し、イタリアにおける移民問題の推移について確認した。また、移民排斥を主張する極右政党が登場したことによって、イタリア政治における移民問題の位置づけがどのように変化したのかについても考察を行った。さらに、移民政策の政治過程に関する文献を読み込み、理論的考察を進め、政治的要因の重要性を確認した。 また、2024年3月にイタリアでの調査を実施し、資料収集を行った。 これらの成果は、2024年6月に開催される日本比較政治学会研究大会において発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
文献に基づく調査を行い、イタリアにおける移民問題の政治争点化や、移民問題の推移について確認した。また、移民政治研究の動向を整理して、理論的考察を進めた。イタリアでの調査が遅れてしまったものの、今後の研究を進めていくための基礎を固められたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、6月に行う日本比較政治学会研究大会での報告を踏まえて研究を進める。夏には、イタリアでの調査を行い、2009年に制定された移民関連法の資料を収集する。後半は、前年度の研究成果と学会報告に基づいて論文を執筆し、発表できるようにしたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)