Project/Area Number |
23K12411
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
宮井 健志 成蹊大学, 法学部, 客員准教授 (90912296)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 移民送出政策 / トランスナショナリズム / 移民政策 / 政治理論 / 出入国管理 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「移民送出政策」の現状を国際比較の観点から実証的に解明し、そのあるべき政策デザインを思想的に探求するものである。本研究の関心は、「国家は、法的管轄から退出する自国民および在外国民に対していかなる政治的責任を負うべきか」という問いにある。本研究は、(1)移民送出政策に関する政治学的分析モデルの設定、(2)国際比較分析を通じた問題領域と政策課題の描出、(3)現実的かつ規範的な政策デザインの提示という三つの課題に取り組むことで、この問いへと体系的に接近する。それにより、政策担当者へと最新の政策的知見を示すだけでなく、移民支援団体や一般市民にも有益な知識を提供することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自国民の国外移住に対する国家の政策的関与、いわゆる「移民送出政策」の現状を国際比較の観点から実証的に解明し、そのあるべき政策デザインを思想的に探求するものである。本研究の関心は、「国家は、法的管轄から退出する自国民および在外国民に対していかなる政治的責任を負うべきか」という問いにある。本研究は、(1)移民送出政策に関する政治学的分析モデルの設定、(2)国際比較分析を通じた問題領域と政策課題の描出、(3)現実的かつ規範的な政策デザインの提示という三つの課題に取り組むことで、この問いへと体系的に接近する。それにより、政策担当者へと最新の政策的知見を示すだけでなく、移民支援団体や一般市民にも有益な知識を提供することを目指す。 実施初年度となる2023年度は、主に第一と第二の課題に取り組み、移民送出政策に関する経験的な事実と課題の分析を行なった。まず、移民送出政策を出国管理政策・在外国民政策・市民権政策とに区分するなどの基礎的なモデルを設定した。また、アジア諸国に関する移民送出政策指標(Emigrant Policies Index)を作成し、中南米諸国との地域間比較を行なった。 2023年度の研究実績としては、欧州における最大の移民研究ネットワークであるIMISCOEの年次大会において、アジア4カ国に関する移民送出政策指標について報告した。また、トランスナショナリズムの観点から移動能力をケイパビリティとして捉え直す試論を、英・マンチェスター大学におけるMANCEPT Workshopおよび日本政治学会年次大会において報告した。さらに、移民送出政策の一部を構成する複数国籍の課題と展望を分析した論考を発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に研究は進展しており、研究成果の公表も進んでいる。 2023年度は、本研究に直接関係する紀要論文を一つ公表し、また関連する内容について学会報告を3件行なった。まず、『成蹊法学』所収の論文では、複数国籍をめぐる現状、経緯、課題について包括的に検討した。複数国籍は、移民送出政策の「市民権政策」の基幹的分野であり、その世界的なトレンドと課題を把握することができた。また、20th IMISCOE Annual Conferenceでは、アジア4カ国に関する移民送出政策指標のパイロット版の報告を行い、中南米諸国との地域的差異について重要な知見を得た。さらに、MANCEPT Workshops 2023および日本政治学会2023年度研究大会では、移民受入政策と移民送出政策とをトランスナショナリズムの観点から一体として捉えるための視角について試論的な報告を行なった。これらはいずれも本研究の関心と直接結びつく基幹的な成果である。 以上のように、研究の内容と公表の両方について研究計画の通りに進められていることから、おおむね順調に進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度も研究計画に沿って課題に取り組む。2024年度の主な課題は、三つの課題のうち(2)国際比較分析を通じた問題領域と政策課題の描出に目処をつけた上で、(3)現実的かつ規範的な政策デザインの提示へと繋げていくことである。(2)については2023年度の段階でアジア7カ国について分析を進めており、特に中南米諸国との地域間比較分析を進めることが重要なステップとなる。その上で、(3)の移民送出政策の規範的検討へと徐々に力点を移していきたい。これらの研究活動と並行して、シンポジウムや公開セミナーなどのアウトリーチ活動にも取り組みたい。
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