Project/Area Number |
23K12420
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06010:Politics-related
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
早川 有紀 関西学院大学, 法学部, 准教授 (20775853)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
|
Keywords | リスク管理 / 危機管理 / 規制政策 / 政策形成 / 規制行政 / 規制革新 / 政治行政制度 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、環境や健康に対するリスク管理に着目して、「政府のリスク管理の導入や見直しは、どのような政治制度的要因により規定されるのか」を問う。具体的に明らかにするのは、①リスク管理政策の変化や見直しの内容(記述的分析)、②各国政府の政治・行政制度の構造とリスク管理政策の変化や見直しの対応関係(因果的分析)である。本研究ではリスク管理政策がどのように長期的に変化するのかを、各政策の法律、規制機関に関するデータと、個別の事例間比較分析を組み合わせることで、リスク管理が効果的に機能する条件を明らかにすることを試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、政府のリスク管理の導入や見直しはどのような政治制度的要因により規定されるのかという問いについて、環境や健康に関するリスク管理に着目して分析を行うものである。先行研究ではリスク管理政策の見直しについて、危機時と平時という見方が存在するのに対して、本研究ではそれを連続的な政策過程として捉え、リスク管理政策がどのように長期的に変化するのかを明らかにしようとする。 2023年度は、夏までをUC Berkeleyで在外研究を行い、それ以降日本に戻って研究活動を行った。在外研究中は主にアメリカの連邦政府におけるリスク管理の見直しについて分析を行った。帰国後はその成果を比較政治学会年報への公表準備を進め、この成果は「アメリカにおける食品安全政策とリスク管理―危機時と平時の観点から」として、『危機と国家』(日本比較政治学会年報第25号)に掲載された。この中で、平時の見直しでは規制機関が抱えるリスク管理の課題について、専門機関による勧告を活用して規制改革を進めていたこと、また危機時の見直しでは、規制機関が危機発生前から認識してきたリスク管理の課題や対応策が改革に活かされていたことを示した。さらに、過去に導入されたリスク管理は規制改革を前進させる一つの要因となることを明らかにした。 また、コロナ期における特措法改正前後の地方政府の対応について分析した。感染拡大を防ぐ経済活動規制について、47都道府県の対応をデータにまとめたうえで、従来「自主的規制」中心とされた日本のコロナ対応が特措法改正によって変化が生じたこと、都市部で特に特徴的な政策が推進されたことを示した。この内容は、Association for Asian Studies (AAS) 2024 Annual Conferenceにて報告し、討論者や参加者から有益なコメントを得た。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究の途中成果について、一部を国際学会、学会誌において公表できたことが大きい。学会報告や研究会報告で得られたコメントに基づいて内容を改善して、さらに研究進展、公表を進められるように努力したい。 また、データセットの構築はまだ途上であるものの、これまでの取り組みによって手がかりはつかめているため、協力者を得てデータセットの構築を推進し、国内のリスク管理政策と危機管理政策の形成と見直しについて引き続き取り組みたい。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後の方針として、これまでに得られた成果を更に推進する予定である。 リスク管理の見直しをめぐるデータセットについては、組織の自律性と応答性に着目する。アメリカの連邦政府の分析で得られた法の見直しに関する知見を参考に、法律見直し、管轄組織や委員会について着目する予定である。 また、研究報告についても2024年度学会報告などを予定している。成果の公表とその修正はよりよい研究成果の獲得に欠かせない。組織の危機対応や、継続性と応答性について理論的・実証的な知見を得ることを目指す。
|