Project/Area Number |
23K12432
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 06020:International relations-related
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Research Institution | University of Niigata Prefecture |
Principal Investigator |
ミラー 枝里香 新潟県立大学, 国際地域学部, 講師 (40931027)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2027: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2026: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 国際関係史 / エネルギー国際政治 / 冷戦 / デタント / アメリカ外交史 / イギリス外交史 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、冷戦期の東西間エネルギー関係の構築過程を公文書史料およびインタビュー調査に基づくオーラル・ヒストリーを用いて実証的に明らかにするものである。この過程において本研究が分析枠組とするのは、先行研究が考察している①冷戦的国際政治の背景としてのデタント・プロセスだけでなく、エネルギー国際政治を考えるうえで重要な②建値通貨と資源価格との連動、③民間企業の役割、④中東国際政治の動向である。それにより、冷戦的国際政治とエネルギー貿易との重層的な関係を明らかにする。またこの分析を通じて、旧西側諸国とロシアが対立している国際政治の現状に対し、冷戦史との連続性・非連続性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
冷戦史研究において、エネルギーに関する課題の考察は疎かにされている。したがって、ロシアと旧西側諸国がエネルギーを通じて対立を加熱させている今日の国際政治に対し、それがどの程度冷戦期の東西対立と関連しているものなのか、冷戦史研究の枠組からは明確な解答が得られていない。 それに対し本研究は、①デタント・プロセス、②建値通貨と資源価格との関係、③民間企業の役割、④中東国際政治の動向を分析枠組とし、東西間のエネルギー貿易関係構築過程(1973-81年)を公文書史料とインタビュー調査に基づき考察することで、冷戦とエネルギー国際政治との重層的な関係を明らかにするものである。具体的には、米国、英国、日本、西ドイツが関わった開発計画および貿易取引に焦点を当て、どのようなファクターが関係構築の決め手、もしくは阻害となったのか明らかにする。またこの考察を通じて、冷戦的国際政治と今日のエネルギー国際政治との連続性・非連続性を提示することを目的としている。 これらの目的を本研究では、 (1)米ソ日間協議であるチュメニ油田開発およびヤクート天然ガス貿易プロジェクト(1973-79年)、(2) 欧州共同体(EC)・ソ連間協議の西シベリア石油貿易およびウレンゴイ・ポマリー・ウジュホロド天然ガス・パイプライン建設計画(1973-81年)を分析することで明らかにする。そこにおいて注目する点は、最終的に米国と英国が交渉から撤退したことである。本研究は、米・英がどのような点を懸念したのか、それは冷戦構造とどの程度関連していたのか、米・英の動向は日本と西ドイツの交渉への姿勢に如何なる影響を与えたのか明らかにし、冷戦的国際政治とエネルギー貿易との関係を考察する。 本年度は、米ソ日間協議であるチュメニ油田開発およびヤクート天然ガス貿易プロジェクトに焦点を当て、史料調査および史料分析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、幅広く史料を収集し、分析したうえで、仮説を裏づける史料を見つけることを目的としていた。史料収集では、ティーチングアシスタントを雇用することで、アメリカでの調査の第一回目を終了することができ、大きく前進した。具体的には、NARA、Nixon Library、Carter Libraryの史料を収集することができた。なお、Ford Libraryの史料はオンライン公開が進んでおり、今回の調査では見送ったが、分析を進めてより仔細に検討する必要がある場合は、再来年度に現地調査を予定している。史料分析では、いくつかの史料でおおむね仮説が正しいことを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度も引き続き米ソ日間協議であるチュメニ油田開発およびヤクート天然ガス貿易プロジェクト(1973-79年)の分析を継続する。夏に10,000words程度の論文執筆を開始し、冬には投稿したい。
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