Project/Area Number |
23K12445
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07010:Economic theory-related
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
平田 大祐 一橋大学, 大学院経済学研究科, 准教授 (40754809)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 契約付きマッチング / 累積オファーメカニズム / 契約付きマッチング理論 / 安定性 / 効率性 |
Outline of Research at the Start |
契約付きマッチング理論の中心である累積オファーメカニズム(COM)は、安定性が保証される場合でも次善効率的だとは限らないことが既存研究によって指摘されている。この指摘からは 1.どのような場合にCOMの結果は他の安定的マッチングにパレート支配されるのか 2.COMの結果をパレート支配する、安定的かつ次善効率的なマッチングはどのように構成・計算することができるのか 3. COMの結果に代えて次善効率的なマッチングを実現することで生徒側の厚生はどの程度改善可能なのか などの自然な疑問が生まれてくる。上記の3つの問いにできるだけ一般的な回答を与えることが本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
第一に、累積オファーメカニズムの結果が非効率的となる(すなわち他の安定的マッチングにパレート支配される)ための条件について研究した。現段階ではまだ一般的な条件の特定にはいたっていないが、求める条件の一部となることが予想される仮説を得た。具体的には、上記の非効率性が発生するためには、累積オファーメカニズムの計算過程である種のサイクルが発生することが必要であると予想される。また、一般的な結果を得る上で有用となり得る非自明な例をいくつか構成した。例えば、サイクルが発生するものの累積オファーメカニズムの結果が支配されないような場合も存在することを発見した。 第二に、上記の研究の副産物として累積オファーメカニズムの一般的な性質を明らかにすることができた。まず累積オファーメカニズムが積極的優遇政策(affirmative action policies)に対して感応性(responsiveness)と呼ばれる性質を満たすための条件を明らかにした。また累積オファーメカニズムが弱マスキン単調性と呼ばれる性質を満たすための必要十分条件を特徴づけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の実績のうち、累積オファーメカニズムの非効率性に関する研究は、学術研究として成果を公表するためにはより一層の進展が必要である。他方、感応性と弱マスキン単調性についての研究は学会・研究会で報告するに十分な成果を得ることができた。前者は既に2023年度中に国内の研究会で報告済みであり、後者は2024年度に開催される国際学会に複数採択されている。これらを総合すると、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
非効率性の研究については「概要」欄で述べたサイクルの性質についてのより深い理解が必要である。具体的には、非効率性の必要条件あるいは十分条件となるようにサイクルの詳細な定義・性質を引き続き検討する。 感応性と弱マスキン単調性の研究は引き続き国内外の学会・研究会で報告し、フィードバックを取り入れつつワーキング・ペーパーとしてまとめる。進捗が順調であれば、査読付き国際学術誌に投稿する。
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