Project/Area Number |
23K12467
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07040:Economic policy-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高島 伸幸 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (20761331)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 国際環境協定 / 気候変動問題 / 水素エネルギー / エネルギーセキュリティ / 発展途上国 / ゲーム理論 |
Outline of Research at the Start |
温室効果ガス(GHG, Greenhouse Gas)排出削減だけでなく,エネルギーセキュリティ強化の観点からもクリーンエネルギー導入拡大の必要性が高まっている.特に,水素はエネルギーとして利用する際にGHGを排出せず,しかも様々な資源から製造可能という特徴を持つため,GHG排出削減とエネルギーセキュリティ強化の両方において高い効果を発揮し,また世界各国による導入が期待できるエネルギーである. 本研究課題では,ゲーム理論を用いて水素エネルギー導入の国際枠組の制度設計を行い,GHG排出削減とエネルギーセキュリティ強化の同時実現により,温暖化対策およびエネルギー危機の解決への貢献を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
水素は気候変動問題およびエネルギー危機の解決に不可欠なエネルギー源であり,水素エネルギーの導入促進に向けた国際協力体制の在り方を示すことの意義は大きい.本研究の目的は,国際環境協定とよばれる各国の協力枠組みを拡張し,水素エネルギー導入に向けた国際枠組みの設計およびその成立条件について,ゲーム理論を用いて明らかにすることである. 本研究では水素エネルギーの特徴として次の2つを考える.(1)水素のタイプとして化石燃料由来と再生可能エネルギー由来が存在する.(2)水素エネルギーの導入により,温室効果ガス排出削減だけでなくエネルギーセキュリティ強化も達成される.(1)と(2)の水素エネルギーの特徴を反映させた分析により,水素エネルギーの導入を通して「温暖化対策」と「エネルギーセキュリティ強化」を同時に実現する国際枠組みを示し,グリーンリカバリーの実現およびエネルギー危機の解決への貢献を目指す. 今年度実施した研究は,主に次の通りである.まず先行研究のサーベイとして,国際環境協定の枠組みで汚染削減技術の改善を実施する方法について分析した文献を中心に精読を行った.また,基礎段階の研究として,1回限りのゲームや繰り返しゲームなどのゲーム理論的分析手法を用いて,各国による汚染削減技術の投資行動を国際環境協定の制度に盛り込み,改善された技術のもとで多数の国による汚染削減協力を維持するための制度に関する分析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画で挙げた基礎的分析を順調に進めることができた.その分析結果については,今年度,全国規模の学会で報告を行い,そこでのディスカッションで得られたコメントをもとに改訂を行った.研究論文としてまとめた後,査読付きの国際誌への投稿を目指し改訂中である.基礎的研究が順調に進展していることから,次年度以降での更なる発展につながることが期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
1年目の結果を更に発展させて,水素技術の特徴をより濃く反映させ,協定成立条件の検討を行う.計画を進めるにあたって,最新の国内外の研究動向を把握し,本研究の国際的競争力を高め,国際的に評価される研究成果が得られるようにしたい.最新の研究動向の把握に向けて,関連文献を精読し,また国内外の研究者との交流も積極的に行いたい.
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