Project/Area Number |
23K12513
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07070:Economic history-related
|
Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
西崎 純代 立教大学, 経済学部, 特任教授 (30802110)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | 戦後復興 / 広島 / 労働市場 / 引揚者在外事実調査票 / 人的資本 |
Outline of Research at the Start |
原子爆弾による被害は, 破壊規模, 長期的な健康被害, 心理的影響において従来兵器とは大きく異なった。被災後の広島市の復興過程の分析は, 学術研究において重要なテーマである。本研究では「原子爆弾被災後の広島市の復興は,どのような過程を辿ったのか」という学術的問いに,経済復興研究の側面から取り組む。本研究は, 広島市の労働人口の中に見られる引揚者の職業活動に着目し, そこから見えてくる「労働市場」の回復過程解明を目的とする。全国で80万世帯が参加した「引揚者在外事実調査」(厚生省 1956年)の広島市分 4,722世帯分の個票データを利用し,労働市場の回復過程を帰納的に解明する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は本務校での研究活動を中心に、下記を行った。 【資料分析とデータ整備】本研究課題の主要資料である「引揚者在外事実調査票」(厚生省、1956年)のデータベース作成は、すでに完了している広島市分への分析項目追加、県内他市町村分の入力を行っている。これにより、引揚者の県内移動と就業動向のより詳細な分析を目指す。広島市の経済復興状況を示す統計データ整理は、ミクロレベルの事例のさらなる蓄積のため、広島県、県内市町村の行政史、金融機関の報告書、社史・団体史、新聞記事、個人史等の収集と分析を継続実施した。 【資料公開と共同研究】「引揚者在外事実調査票」は引揚者の外地・戦後の状況を知ることができる貴重な資料であるが、本格的な公開が始まって10年程度ということもあり、活用する研究者は最近になって増加している。研究者の便宜をはかるため、北海道大学の研究者とともに資料紹介論文を刊行し、資料の性質、使用時の注意事項、資料解読に有益と思われる引揚者団体刊行の利用手引きなどを掲載した。(木村由美・西崎純代(2023)「引揚者在外事実調査票の資料紹介-歴史資料としての意義とデータ活用の可能性」『立教大学経済学紀要』第77号第2巻)。「調査票」に関しては海外からの問い合わせも増えており、特に、大規模データの分析素材としての活用方法を尋ねられることがたびたび出てきている。今後、国際的共同研究を進展させたい。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
留学生の急増を受け、英語での授業設計に時間を割く必要があり、研究は遅れ気味となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度は精力的にデータ整備・資料収集と分析、理論構築、分析結果のビジュアル化を進め、研究を発表する。また海外の研究者との研究交流を本格的に進める。この一環として、アメリカの大学の研究者とともに、American Historical Association年次総会における学会発表にエントリーしている。
|